現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

ボランティア

2009-12-16 23:15:23 | 虚無僧日記
12/16 ブラザー記念病院に行く。
要介護で入院しているお年寄り 20名ほど。車椅子に
座っている人はまだいい。ベッドで寝たきりの人も。
ほとんど無表情、無反応。冷たい目で私を見つめる。

職員さんは数名。赤のサンタさんの帽子を被り、クリス
マスを演出する。みなさん とても 感じがいい。

尺八でクリスマスソングを奏でる。奇異の目が注がれる。
「青い山脈」「北国の春」「焚き火」「花笠音頭」、
「そーらん節」「斉太郎節」と、鈴花が 歌と鳴り物で
盛り上げる。鳴り物の効果は大きい。眠るがごとき人も
目を覚ます。

拍手、手拍子が出る。気がつくと、合わせて歌う声が
聞こえてくる。無反応だった人たちの目に 涙も光って
見える。

20分の熱演に、職員さんから「いつも無反応な人にも
笑顔がみえたり、手拍子したり、驚きました」と、感謝の
言葉をいただく。尺八冥利だ。

ボランティアで行って、いろいろ学ばせていただく。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

一休と虚無僧」で別にブログを開いています。

日記@BlogRanking

生きる意味

2009-12-16 23:14:38 | 心の問題
「人生長きが故に尊からず、深きが故に尊い」

軟骨肉腫に冒され21歳で亡くなった大島 みち子(ミコ)さんの
『愛と死を見つめて』の最期の一節とのこと。

金子みすず(26歳)、滝廉太郎(23歳)。勤皇の志士も、橋本左内(25)、
吉田松陰(29)、久坂玄瑞(25)、国司信濃(22)、高杉晋作(28) と、
異常に若い。

彼等はいい。社会に多大な影響を与え、歴史に名を残した。
今、毎年3万人の自殺者。「社会に役に立つ、立たない」という
物差しで計ると、「生きる意味がない」と、人生に絶望している
人も少なくない。

しかし、重度の障害児を遺して、41歳で癌で亡くなった平野恵子?
さんの遺書は心を打つ。二番目の子供が重度の心身障害児。
若い時、この子を殺して自分も死のうと思ったことがあった。
しかし、その時、上の子供が「ゆきのちゃんは、顔も手も足も
心もみんなきれいだね」と。その言葉に気づかされる。

「この子は食べることも、歩くこともできない。でも一点の疑いも
なく、身を任せている。自分は、生きる価値は“役に立つ、立た
ない”で測っていた。自分の力で生きていると思いこんでいた。
しかし、子供に教えられたことは、自分もひとりでは生きていけ
ないということ。重度障害の子供に励まされて自分は生きてきた。
充実した一生だった」と、感謝をつづっている。

今、還暦を過ぎて、生きる意味を模索している私である。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

一休と虚無僧」で別にブログを開いています。

日記@BlogRanking

生きる意味 つづき

2009-12-16 21:39:16 | 心の問題
「重度傷害児を見ると人生観変わりますよ」と教えられて、
とある病院の重度傷害児の病棟を見学させてもらったことが
ある。私も人生に絶望していた時だった。

うす暗い大部屋に、1mほどのガラスケースがいくつも並んで
いる。20以上はあったろうか。中を覗くと、とても人間とは
思えない肉の塊が、栄養補給と排泄のパイプで生かされ続けて
いるのだ。全くの植物人間。伸長5. 60cmでも、15. 6歳になる
子供もいた。現代医学ではこうして、何年でも生かし続ける
ことができるのだ。その費用は月何十万にもなるという。
それでも生かし続けることの意義をどこに見出せはいいのだ
ろう。

生まれてきただけでも尊い命。生きている、生かされている
ことの尊さを教えてくれているのか、呆然とした。

別室では、体も動かせ、意識もある障害児たち。柵の間から
私の方に手を差し出す。思わず抱きかかえてみた。一度抱くと
離れようとしない。もう親も見にも来ないという。母親の
愛情に飢えているのだろうか。声も発せず、表情も変わら
ないが、何を訴えたいのだろうか。抱きついたら離れようと
しないあの子の顔を今でも忘れられない。けなげに生きて
いる美しい目だった。

あの子たちの世話は、ボランティアの人たちによってなさ
れているという。わが子を見にも来ない親に代わって、ボラン
ティアで世話する人たちの、生きる意義とは?
いろいろ考えさせられたものである。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

一休と虚無僧」で別にブログを開いています。

日記@BlogRanking