ケイの読書日記

個人が書く書評

北村薫「空飛ぶ馬」

2006-01-09 16:10:43 | Weblog
大好きな本・読んだ本


 私の敬愛する岸本葉子さんが、北村薫氏の、それもこの落語家円紫と女子大生のシリーズのファンなので、ぜひとも読んでみなければ、とずーっと思っていたのです。

 何の犯罪もおこらない、日常のちょっとした不思議な出来事を、論理的に解き明かすというミステリ連作で、新鮮でした。
 でも、通常の殺人事件がでてくると思って読み始めた人は、がっかりするかもしれない。


 もうすぐ20歳というこの女子大生は、あまりにもいい娘さん。いまどきこんな娘いないって。
 父親が、こういった娘に育って欲しいなあ、と望む理想の女の子像そのもの。
 今現在、女子大生をやっている人は、こそばゆくって読めないかも。


 優美さんが、北村薫の文体が読みにくいと書いていらしたけど、私には文体というより、北村薫の教養がありすぎて、いろんな引用があり、それが引っかかり読みにくい。

 そこら辺は『僧正殺人事件』のヴァン・ダインと通じるものがあります。でも、ヴァン・ダインのは西洋の美術や芸術だから、単なる雰囲気を出す飾りと考えて、読み飛ばしていけますが、北村薫はなまじっか日本の作家だから、引っかかっちゃうのよね。


 時々「ね、北村センセ、センセの教養があるのはよーく分かったから、次に進んで下さいよ」と言いたくなります。
コメント (3)
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