ケイの読書日記

個人が書く書評

リリアン・J・ブラウン「猫は泥棒を追いかける」

2006-02-28 17:01:58 | Weblog
大好きな本・読んだ本


 wataさんの愛読シリーズの1冊。

 私はこのシリーズを「我輩は猫である」のように猫の一人称で書かれているのかと思ったら違いました。

 ハンサムで大金持ちの元新聞記者のクィラランが主人公で、その飼い猫のココに、優れた犯罪感知能力がある(ように思える)という設定。


 舞台となるムース郡ピカックスは架空の場所だけど、カナダとの国境沿いにあるらしく、恐ろしく寒い。強風が吹くと、体感温度マイナス60度。バナナで釘が打てるかも?


 このピカックスは私にミス・マープルの住んでいるセント・メアリ・ミード村を思い出させます。

 住民同士のつながりが強く、ゴシップ大好き。「ここだけの秘密よ」と言葉に出したとたん、すぐに町中に知れ渡る。
 お金持ちで、すごく保守的な人々の住む町。
 青い目、ばら色のほほの、詮索好きなミス・マープルが出てこないのが、ふしぎなくらいです。



 シリーズ物なので、登場人物が多く、また以前の事件の話が当たり前のように文中に挿入されているので、前半は読みにくかったですが、中盤以降慣れてきて、ストーリーもつながりが出てきたので、面白かったです。

 ミステリのシリーズ物は、最初の方が出来がいいことが多いので、次は「猫は手がかりを読む」「猫はソファをかじる」を読んでみたいですね。
コメント (4)
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