ケイの読書日記

個人が書く書評

有栖川有栖「長い廊下がある家」

2011-08-19 13:16:24 | Weblog
 有栖川有栖、健在なり、という作品集。それほど話題にはならなかったようだけど。
 2009~2010年の最近に書かれたものだが、本格推理を貫いている所が、すごいなぁ。
長年書いていて、よくトリックやアイデアが枯渇しないなぁ、と感心します。

 特に『長い廊下がある家』のトリックは、奇をてらっておらず、比較的分かりやすくて優れている。


 山奥の打ち捨てられた村にある、隣り合った2軒の廃屋。この二つの家の間の地下に長い長い廊下があって(地下通路といった方が分かりやすい) その中間地点に、閂で鍵が掛けられる扉がある。
 この家と長い長い廊下には、幽霊が出没するという噂が広がり、オカルトファンの間では、有名になっている。

 ある日、オカルト雑誌の取材チームが、その幽霊を取材しようとやってきた。仕事が終わった後、徹夜で打ち上げ、ドンチャン騒ぎ。
 翌朝、帰る前にもう一度見学しようと地下通路に下りていくと…昨夜、怒って先に帰ったはずの仕事仲間が殺されていた!

 容疑者は、取材チームのメンバーしかいない。たまたま、このメンバーの中に、山に迷った火村の教え子が混じっていて、彼の証言から、メンバー全員のアリバイが成立する。

 どうやったら、このアリバイを崩す事ができるのか?

 作者は親切だから、分かりやすいと思う。
コメント
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