ケイの読書日記

個人が書く書評

大野更紗「困ってるひと」

2011-08-24 20:58:24 | Weblog
 私としては珍しく本屋で購入。早く読みたかったこともあるが、この本の作者・大野更紗さんは、原因不明の難病を発症し、経済的にも困っているという話なので、少しでも足しになれば、と思ったのだ。

 筆者・大野更紗さんは、おフランスに憧れ、上智大学フランス語学科に入学したが、ビルマの難民問題に関心を持つようになり、支援活動に熱心に取り組むようになる。

 この人はスゴイ! 募金を集めた、講演会を開いた、程度ではなく、現地のタイ・ビルマ国境にある難民キャンプに足を運び、現地調査。それも年に何回も。
 疲労が限界に来ているのに、それでもなお活動しようとする大野さんに、大野さんの身体は反乱を起こす。

 布団から起き上がれない、全身の力が入らない、身体中がパンパンに腫れる、触るだけで痛い、関節がガチガチに固まって曲がらない、どんな薬を飲んでも熱が下がらない。

 自分の免疫システムが勝手に暴走し、全身に炎症を起こす、自己免疫疾患と呼ばれるタイプの難病を発症。

 こういう病気は、いったん発病すると本当に難しいみたい。一生付き合っていかなければならないようだ。


 ただ救いがあるのは、大野さんが強気な事。自分は困っている難民の人たちを助けたから、自分が困っている時は、周りの人が自分を助けるのは当然だ、というキッパリした態度。
 ヘタに遠慮されるより、これやってあれやって、と指示された方が周りもかえってラクだと思う。
コメント (2)
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