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前回、前々回からの連続殺人は止まらない。次々と人が殺され、最も犯人に近いと疑われた男までもが、殺される。まさに金田一耕助状態。
複数の人がそれぞれの思惑でもって、てんでばらばらに行動するから、こうなる。
ナディアが、様々な仮説を立て、次の殺人でそれが打ち砕かれ、新たな仮説を組み立て…という事を何度もやっていると、自分の頭の中もグチャグチャになる。
ナディアと殺人鬼の、暗闇の中の追いかけっこ。最後にカケルが事件を解決し、このややこやしい孤島の連続殺人事件を説明するのだが、説明されても(私の頭では)しばらく考えなくては、理解できない。
それに、カケル! もっと犯罪を防ぐ努力をしろよ!! そういう所が、金田一耕助なんだよ!
でも…ナディアが館に到着した時になくしたマニキュアすらも、伏線に使われているので、すごいなぁと感心する。いたるところに張られた伏線が、きれいに収束されている。なかなかの秀作ですよ。これは。
推理小説としては、このメイントリックは反則かなとも思うが、さほど気にならない。だって、これは迷路館だものね。
ありえないと思うのは、使用人の数の少なさ。この宮殿のような館に、2人とは…。これは、綾辻行人の『館シリーズ』でも感じるが、家事労働というか、ハウスキーピング労働を、男性作家は舐めてるんじゃないかな。
ホテルで働いている人に聞いたんだけど、10人の客をおもてなしするためには、10人の従業員が必要だと言ってた。
考えてもみて。10人のお客さんの食事を作るって大変だよ。
せめて、コックとか庭師とか、専門職の使用人を登場させてください。
この孤島の連続殺人事件の、そもそもの発端は、5歳の男の子が誘拐・レイプされ、オイディプス症候群に感染したことに始まる。
こういった、子どもを狙う性犯罪者って、クソだと思う。呪われろ! チ○コが腐ってもげろ!