ケイの読書日記

個人が書く書評

東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」

2012-10-16 13:26:24 | Weblog
 早春の乗鞍高原のペンションに集められたのは、オーディションに合格した男女7名。

 作品は、豪雪にみまわれ孤立した山荘での殺人劇…という話だった。
 これから舞台稽古が始まる。しかし「電話を利用したり、外の人間と接触した時点で、オーディションの合格を取り消す」という指示が書かれた速達が届いたきりで、演出家は来ない。
 7人の役者は、一緒の軟禁状態に置かれたこの状況に戸惑いながらも、なんとかこれを役作りに生かそうとする。

 だが、1人、また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたして、これは本当に芝居の稽古なのか?


 さすが、東野圭吾だから、面白いが小粒な印象。本当の所、雪に閉ざされた山荘でもないし、人が消えていくだけで、血みどろの死体が転がっている訳でもない。
 だいたい、この動機からして、全くの逆恨みだよね。

 死体があるよりも、人が消えていく方が怖い!という人もいるだろうが、そういったゾクゾクするような、思わず背後を振り返りたくなるような恐怖感は無いなぁ。
 
 そうそう、ミステリといえば… 今まで、図書館の東野圭吾の棚は、本が2~3冊ある程度で、さみしいものだった。ほとんどが貸し出されていたのだろう。それが、先日見かけたら15冊くらいあった。その中の1冊がこれ!  不思議だなぁ。東野圭吾ブームは去ったの? そんな事ないよね。それが一番のミステリー。

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