ケイの読書日記

個人が書く書評

葛山二郎「赤いペンキを買った女」

2012-03-08 11:00:29 | Weblog
 この「赤いペンキを買った女」という題名を見て、古畑任三郎の中でさかんに使われていた「赤い洗面器を頭にのせた女」を思い出した。違ったっけ? 赤い洗面器じゃなかった? 
 まあ、いいや。三谷幸喜は葛山二郎のこの小説を知っていたのかな?

 
 私は葛山二郎の名前は知らなかった。大阪圭吉や蒼井雄と同じ戦前に活躍した人らしい。
 この「赤いペンキを買った女」は、江戸川乱歩が、戦前の本格短篇の随一の秀作に押しているらしい。
 これは期待できるゾ。るんるんるん。


 法廷を舞台に、検事・弁護士・証人の問答体の形式をとっている。アガザ・クリスティの法廷ミステリ戯曲を思い出す。

 元同僚を殺して金を奪ったと逮捕された被告を助けるために、弁護人が熱弁をふるい、証言の矛盾点をついていく。はたして真相はいかに?

 法廷でのテンポのいいやり取りを読みながら、この「赤いペンキを買った女」はどこに出てくるんだろう?どういう意味があるんだろう?と不思議に思いながら読んでいくと…あっと驚く結末が!!!

 しっかしねぇ、ここまで用意周到に準備した犯人が、どうして赤いペンキを買った痕跡を残すようなヘマをするんだろうか、ちょっと疑問。

 それから、この熱血弁護士の行く末も知りたいね。

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