ケイの読書日記

個人が書く書評

今邑彩「ルームメイト」

2012-02-21 13:23:17 | Weblog
 サナダさんのブログに紹介されていて、面白そうだったので図書館で予約。
 しかし、どういう訳か、予約してから自分の番になるまで11ヶ月もかかった。いったいナゼ? 
 以前『ダ・ヴィンチ・コード』を予約した時もそのくらい待ったが、この『ルームメイト』って、そこまでの話題作だっけ?
 本の内容より、その方がよっぽどミステリアス!!


 とにかく11ヶ月待ったので期待に胸躍らせ読んだが…失礼ながら、期待通りとは言いにくい。

 地方から上京してきた女子大生が、不動産屋で知り合った女子大生とルームシェアするが、1ヶ月もしないうちに相手の女の子は別人のようになり…。

 最初の方は、それなりに面白かったが、早い段階で『24人のビリー・ミリガン』が会話の中に出てきて、あまりにも容易に多重人格という事が分かってしまう。

 多重人格って、ミステリ作家にとって禁じ手のような気がするなぁ。それじゃあ、何でも出来ちゃうね。あまりにもご都合主義。
 それより、1つの人格の表と裏を書いた方が怖い。


 幼い頃、とても悲惨な体験をして、そのトラウマを自分の中で処理するために別人格を作るって事はよく知られているが、この小説のように、多重な人格が次から次へと出て来ると、自己暗示が強い人なら、簡単に別の人格を作り出せちゃうような気がする。

 精神科医は、心の中では珍しい症例に出会いたいと思っているものだから、簡単に騙せちゃうよ。

 面白く読む人もいるだろうが、私にはスッキリしない本でした。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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お邪魔虫です・・。 (サナダ)
2012-02-26 19:09:32
11ヶ月も待ったんですか?!それは凄い。
でも確かに、本屋では新刊なのかと思ってしまうくらいババーン!と目立つ位置に沢山積まれていましたね。
映画化やドラマ化したからという訳ではないハズなんですけどねぇ。
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サナダさんへ (kei)
2012-02-27 11:46:30
 忙しい中、コメントありがとうございます。

 そうなんですよ。11ヶ月待ったんです。図書館の人に尋ねたら、本の冊数が少ないので時間がかかるとおっしゃってましたが、それでは説明つかない気がする。
 誰かが、ずっと返却し忘れてたのかな?
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