ケイの読書日記

個人が書く書評

東野圭吾「回廊亭殺人事件」

2013-05-21 14:22:46 | Weblog
 東野圭吾の初期の作品。推理小説というには、あまりにもアンフェア。まぁ、面白いけど。TVの2時間サスペンスドラマに、丁度いいお話かな?

 放火によって恋人を殺され、自身も大やけどを負った女が、老婆に変装して真実を探ろうとするが、第一の殺人、第二の殺人が起こる!

 またまた私が嫌いな、ダイイングメッセージ。脇をナイフで刺された若い女が、死んでいく途中で最後の力をふりしぼり、自分の血でNのような文字を書く。
 あくまでもNのような文字。MかもWかもZかもしれない。しかし…いったいナゼにアルファベット?って思いませんか? 帰国子女でもあるまいに。なぜ平仮名で書かない?

 推理小説的に解釈すれば、平仮名で書いちゃうと犯人が特定できてしまう。アルファベットの方が、色々な可能性が残るという事だろうか?

 それにしても32歳の女性が、70近い婆さんに変装できるだろうか? いくらメーキャップや姿勢や歩き方を研究したからといって、至近距離で見れば誤魔化しきれないでしょ?

 チェスタトンやアガサ・クリスティのミステリの中にも、1人2役のトリックは多い。チェスタトンは寓話的なお話だから、さほど違和感はないが、クリスティのミステリの中に出てくる1人2役は…ちょっと無理じゃない?と思うことが多い。
 舞台の上でだったら、いくらでも別人格を演じられるけど、テーブルの隣に座った知り合いの目を、変装で誤魔化せるだろうか? しかも何時間も。


 文句ばかり書いたが、つまらなくないよ。まぁまぁのお話。夕食後、ごろんと横になり読むのにちょうどいいかな?

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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コウイチさんへ (kei)
2013-05-23 10:12:42
 コメントありがとうございます。

 顔だけじゃないです。トシを取ると、手などにもシミやしわができるから、それが難しいと思う。
 首のたるみなども。
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Unknown (コウイチ)
2013-05-22 10:57:08
変装は実際にうまく化けられているのか不思議ですよね。
男が女に、女が男にというのは今時のメイクなら頑張ればなんとかなりそうな気もしますが、年齢はどうなんでしょうね。70が30に変身するよりは30が70になる方がなんとかなりそうですけど……・
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