ケイの読書日記

個人が書く書評

酒井順子 「朝からスキャンダル」  講談社

2017-08-04 13:33:43 | 酒井順子
 「週刊現代」連載中のエッセイ 2015年7月4日号~2016年7月2日号 から45本をまとめて掲載しているのが本書。11冊目らしい。ということは11年連載が続いているって事?! 結構、人気あるんだ!

 週刊誌の連載なので、スキャンダルを題材にしたものが多いが、それってタイムリー感が大事で、今更ベッキーの不倫についてあれこれ書いてあってもなぁ…というのが、正直な感想。その中で古くなっていないタイトルが『初めての詐欺被害』


 酒井さん、どうも偽のネットショッピングサイトに引っかかったもよう。
 夏にプールがある宿に泊まる予定だった酒井さん。久しぶりに水着を新調しようとネットを見ていたら素敵な水着が載っているサイトを発見! お金を振り込み、商品の到着を楽しみに待っていたが、なかなか届かない。
 忘れた頃にやっと、中国から謎の包みが届く。開けてみると水着なのだが、色も形もサイズもブランドも違う。メールで問い合わせると「調査するから、送られてきた水着の写真を送信してほしい」と連絡があり、送ったがなしのつぶて。その後、まったく連絡がつかなくなる。

 典型的な詐欺サイト。酒井さんが払ったお金は、2万円。
 しかし…いくら安物でも水着は送っているし、送料はかかるし、人件費もかかる。詐欺師たちは、たいして儲かっていないんじゃないの? ヘンな心配をしてしまうなぁ。


 私も、お金の被害はなかったが、すっかりダマされた事がある。
 ずいぶん前、三男が小学校低学年だったころ。夜、1本の電話がかかって来て「〇〇動物園の落とし物係の物だが、かわいい巾着袋が届いている。中を調べるとA君の物らしい。でもA君の家の電話番号が分からないから、電話が掛けられない。メモが中にあって友達の電話番号は書いてあるから、あなたの所に電話している。A君の家の電話番号を知らないか?」と言われた。
 ちょうどプライバシー保護が問題になっていて、クラス名簿にも電話番号は載っていないし、子どもに尋ねても知らないというので、「申し訳ないが分からない」と伝えた。
 それでも相手は「この巾着袋は明日の朝になると処分されてしまう。それでは可哀想。なんとかA君の連絡先を知りたい」と食い下がってくる。
 私はその時、落とし物係って仕事熱心なんだなと感心していた。

 ところが、その後真相が明らかに。
 しばらくして、学級懇談会の席で、担任の先生が「最近、業者と思われる人たちが嘘をついて電話番号を聞き出そうとしているから、気を付けて!」とおっしゃるではないか! そうか、あの電話が!と合点がいった。そうだよね、勤務時間外の夜間に、どうして落とし物係がわざわざ電話してくるの。バカバカしい。
 私は知らなかったので、電話番号を業者に伝えることは無くて実害はなかったが、気分が悪い。

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