ケイの読書日記

個人が書く書評

酒井順子 「忘れる女 忘れられる女」  講談社

2018-03-23 12:43:10 | 酒井順子
 『週刊現代』2016年7月9日号から2017年8月19・26日合併号連載のエッセイ49本を収録してあるので、比較的新しいネタが満載。
 衆院選で負ける前の小池百合子さんの満面の笑み(筆者は独身子なし女性の代表として、小池さんを応援しているようだ) ベッキーの謝罪に共感が集まらないのは髪が長いせいじゃないか(今はカットしている)おお、小保方晴子さんやピコ太郎の名前もある。懐かしいなぁ。

 正直なところ、筆者とは生育環境が全然違うので、いつも共感という訳ではないが『お酒という麻薬』という章には、心底共感した。
 意外だけど、酒井さんって下戸なんだね。だから、お酒を飲まない酒井さんが「人生の愉しみの半分を知らない」とか「下戸の人って、よくシラフでセックスとかできるよね」という非難めいた言葉を投げかけられ、憤慨する気持ちはよく分かる。
 普段は常識的で温厚な人が、酔っ払って暴力的になり困っているのに、酒の席の事だからと、あまり問題にならないのもおかしいと思う。


 実は今、実家の母のアルコールの事で、ほとほと困り果てている。もともと酒好きだったが、父が生きている時は、たまに飲む程度だった。それが25年ほど前、父が亡くなると毎晩、晩酌。でも当時は、孫育てや習い事、趣味や旅行があったので、晩酌ですんでいた。
 ところが、年を取って、いままで好きだった趣味や旅行にも興味を示さなくなる。もちろん認知症もある。
 昼間から、いや朝から飲んでいる事がある。週3回実家に通っているのだが、ドアを開けると、朝からアルコール臭がぷーーーーん。本当に嫌だ。
 近所の人からも苦情があるので注意すると「この程度の酒で酔う訳ないだろ」「おまえが近所で母親の悪口を触れ回るので、皆よそよそしくなった」とか、逆ギレしてくる。
 ああ、いやだいやだ。何でこうなるんだろうね。

 アルコール依存症の本を読んだら、地域の保健所に相談するのが良いと書いてあったので、月に2回ある相談日に予約して行ったら…「今のお母さんの状態が、アルコールのせいなのか、認知症のせいなのか、薬のせいなのか、それとも複合的なものなのか、あなたの話では判断できませんので、一度、アルコール依存症専門医に診てもらったらどうですか?」とアドバイスされた。
 でもね、アルコール依存症に特化した病院というのはほとんど無くて、精神病院の一部門にアルコール依存症外来があるんだ。
 ああ、敷居が高い。世間体もある。まだ決断できてない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「チャイルド44 下巻」 トム・... | トップ | 萩原朔太郎+しきみ 「猫町」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

酒井順子」カテゴリの最新記事