ケイの読書日記

個人が書く書評

「はじめての哲学」 石井郁男著・ヨシタケシンスケ画 あすなろ書房

2020-01-22 17:05:40 | その他
 哲学に興味がある訳ではないが、ヨシタケシンスケの絵があまりに可愛いので借りてしまった。本当に可愛いね。

 第1章「古代ギリシアの哲学」タレス、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの4人を紹介している。そういえば世界史の教科書に、ソクラテスの弟子がプラトンで、プラトンの弟子がアリストテレスで、アリストテレスはアレキサンダー大王の家庭教師をしていたといった事が書いてあったなぁ。
 彼らの思想はあまりにも高邁で、よく分からない。古代ギリシアは労働は奴隷がやり市民は暇だったから、哲学が発達したんだろう。

 第2章「イギリス経験論と大陸合理論」ベーコン、デカルト、カントの3人を紹介している。ここらも世界史や倫理の教科書でおなじみの名前だが、その思想もよく分からないよ。カントが、生涯自分の生まれ故郷を出た事が無いのに、大学で世界地理の授業をやっていて、しかも学生たちに大変好評だったと書いてあり笑った。カントの愛読書は旅行記。彼の蔵書の大半は旅行記だったそうだ。だったら実際に旅に出ようと思わなかったんだろうか?不思議な人だ。

 第3章「ドイツ哲学の全盛期」ヘーゲル、ショーペンハウエル、ニーチェの3人を紹介。この頃のヨーロッパでは1789年のフランス革命、その後の恐怖政治、そして英雄ナポレオンが登場する。これらは当然のことながら、哲学者にも大きな影響を与えた。考えるだけではなく実行しようとし始める。
 ヘーゲルの方がショーペンハウエルよりもかなり年上だが、2人は一時期ベルリン大学で同じ時間帯に講座を開いた。学生たちはヘーゲルの教室に押し寄せ、ショーペンハウエルの教室はガラガラだったため、間もなく彼は辞職する。こういう所は予備校みたいだね。
 ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語り』はすごく有名だけど、読んだことないし、実際に読んだ人を私は知らない。読みたいとは思わない。ツァラトゥストラって何のことだろうとずーっと思っていたが、拝火教の教祖ゾロアスターのドイツ語名らしい。なぜにドイツ人がゾロアスター?!よく分からない。ただ、ヒトラーが好みそうな哲学者だとは思う。

 第4章「現代世界への挑戦」ではダーウィン、マルクス、デューイ、サルトルを紹介している。皆ビックネーム。私はデューイの「プラグマティズム、多様性こそ進歩の原因である」に共感します。プラグマティズムは理論から出発するのではなく、実験・経験を重視し、すべて試行錯誤であって当然という哲学。フリースクールで取り入れればいいのに。

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