ケイの読書日記

個人が書く書評

「87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし」多良美智子 すばる舎

2023-05-01 16:14:54 | その他
 新聞に、この本の広告が打ってあり、読みたいと思っていた。ブックオフで偶然見つけ、すぐ購入。
 15歳のお孫さんが、おばあちゃんの日常を動画に撮ってYOU TUBEにUP。人気が出たみたい。私としては、自分の母親くらいの年代の人が、どのように団地で一人暮らししているか興味津々なのだ。(私の母は施設でお世話になっている)
 趣味の手芸や庭いじりなどを楽しみながら、地味にひっそりと暮らしている…というイメージを持っていたが、ちょっと違うね。この年代にしては派手な人なのだ。

 長崎で8人兄弟の7番目に生まれ、小学校5年生の時に被爆(つまり昭和8年か9年生まれだろう)幸い病気になることもなく成長し、会社勤めを経て27歳で結婚。2人の息子に恵まれる。7年前にご主人を亡くし、それ以来一人暮らし。

 私には、自分の母親くらいの年代の人は、生家の農業を手伝い野良仕事で1日が暮れ、村の青年団で知り合った人と仲良くなる、というイメージがあったが、この多良美智子さんはもっとハイカラ! なにせ中学校高校は公立ではなくミッションスクールに通ったそうです。そして高校卒業後に専門学校に行ってタイピストの資格を取り,おじさんの経営する会社に入社。お金持ちなんだ。
 そういえば多良さんの生家は商家で、農家ではなかった。だから教育にお金をかける雰囲気があったんだろう。昭和ヒトケタ生まれの女性が専門学校卒というのは、この時代珍しいことだったんだ。

 そうそう、一番驚いたのが、多良おばあちゃんが80歳でピアスを開けたこと!これにはビックリ!!おしゃれが大好きで耳にはイヤリングを必ず付けていたそうだけど、失くすことが多く思い切ってピアスにしたそう。頑張るなぁ。
 またまた驚いたのが、旦那様のお葬式。自宅で家族葬を行い、22万円ですんだそうです。祭壇なし、花と写真は家族が用意する、お坊さんも呼ばす戒名もなし。本当に直系の子や孫、その配偶者のみで執り行ったとか。
 スパっと割り切って、外からゴチャゴチャ言われても気にしない人なんだろう。うらやましいけど私にこんな事ができるだろうか?難しいよね。
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