心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

情状酌量

2019年08月27日 | 雑感・愚見

 

1996年、イギリスのロンドンで21歳の男が、

タクシー運転手を脅し売上金を奪って逃走したのですが、

 犯行中に胸の痛みを訴えた運転手のことが心配になり、

 犯行現場に戻り無線で救助を要請し、

 救護班と共に駆け付けた警官に逮捕されたそうです。

 

日本の刑務所は、受刑者に罪を償わさせる場所というだけではなく、

受刑者の更生及び健全な社会復帰を目的にした施設で、

受刑者が出所後に再犯を犯さないために

様々な更生プログラムが組まれているようです。


その気が全くない被験者を催眠に導くことは困難ですし、

自分を変える気持ちを持っていないクライアントに、

施療者がいくら思考を巡らし汗をかいても、

その施療は、徒労に終わる確率が高くなるのと同様に、


自分が犯した犯罪に全く反省のない受刑者は、

次に捕まらないように注意を払うことはあっても

更生する気など毛頭ないまま出所日を迎えます。


上の犯人は、自分が逮捕されることを厭わずに

被害者を助ける選択をしたことからも

根っからの悪人ではないと思われますので、

更生プログラムに取り組んでもらうこともそうですが、

施設が良い環境を与えることが出来たり、

本人が良い環境を手にすれば

再犯の可能性は激減するはずと信じたくなります。


2003年、東京板橋区の信用金庫で

包丁を持った34歳の男が「金を出せ!」と行員を脅しました。

ところが、その直後によろめき動けなくなり、

駆け付けた警察に逮捕されました。

 

犯人の男は、1か月間、水しか飲んでいなかったことが

逮捕後の取り調べで判明しました。


犯人にどのような事情があれど

銀行強盗という重大な犯罪を行ったことは

許されることではないことは当然ですが、


犯人の男性が本当に切羽詰まっていたことが分かるので、

逮捕されたことは犯人の男性にとっても

良かったのではないでしょうか。


普通は、犯行現場で動けなくなる前に

犯行を決行しようとするはずなので、

単なるおバカな銀行強盗犯なのかもしれませんが、

もしかすると、今わの際ギリギリまで

自分を制御していた倫理観の持ち主と考えることも出来ますし、


もしかすると、銀行強盗が目的ではなく、

逮捕されて食事にありつくことが目的だったかもしれません。


昔、おにぎりが食べたいと書き残し

餓死した二人の老女の遺体が発見されたことを思い出します。


犯罪行為をするよりも気高く最後を迎えることを

二人の老女は、選んだのかもしれませんが、

私は、逮捕してもらってでも食事にありついて

生き続けて欲しかったと思ったりします。

 

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