日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業の社会的責任とイロイロ

2008-03-08 22:11:47 | ライフスタイル
少子化など様々な問題に対して、行政だけではなく企業もその支援に乗り出している。
その一例として、今日の朝日新聞のWEBサイトにおしゃれに企業内保育所 幅広い業界で設置進むという記事があった。

記事に紹介されている「サマンサタバサ」という企業名を知らないオジサンは、多いかもしれない。
実はここ数年、20代の女性を中心に熱狂的とも言えるファンを獲得している、日本発のファッション企業の一つだ。
お騒がせセレブ・パリス・ヒルトンなど海外のファンも少なくない。
このような女性を顧客とした企業は、女性の社会的かかわりにも関心が高い。
そのため、このような「企業内保育所」の設置にも積極的なのだろう。
これほど「企業内保育所」が、話題になる前から積極的だったのは「ヤクルト販売」だ。
全国各地にある「ヤクルト」の販売所には保育所が、併設されているところが多い。
その理由は、改めて述べる必要はないだろう。

それに対して、商社などは「企業内保育所」に対してまだまだだろう。
私が社会に出た頃(今から25年以上前)、女性が商社に就職=商社マンの結婚相手候補といわれていた。
多くの企業は、結婚と同時に女性が退職するのが一般的だった。
それを象徴することばが「寿退社」だ。
そして「寿退社=しあわせな女性が作る家庭像」という思考が、今でも一部のオジサンたちには、残っているようだ。
それが政府試算の「一般的モデル家庭」となっていているのだろう・・・と想像する。

以前「企業に不都合な人材を活用しよう」というエントリをした。
子育て真っ最中のシングルマザーやシングルファザー、身体的ハンディを持った人、社会的スタートが遅かった人などは「成果主義」的発想からすれば、企業にとって余り歓迎できない人たちばかりだ。
だが、その人たちと一緒に仕事をする事で見えてくる様々なコトから、企業が果たせるコトも多い。
それが、社会的責任を果たす事へと繋がっていくのではないだろうか?

暫くすると、経済雑誌などに「子供を入社させたい企業100社」みたいな特集が組まれる。
その選定基準の中には必ず「女性が働きやすい企業」だとか、「女性管理者の多い企業」が入っている。
企業にとって成果の上がらない人(≠仕事をしているフリだけで、本当は仕事をしていない人)の存在が、これから先の企業を発展させていく原動力になる、という視点が求められているように思えるのだ。