日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

母は強し?-三人乗り自転車のおかあさん-

2008-03-04 11:41:01 | アラカルト
新聞各紙のWEBサイトをチェックしていたら、中日新聞のWEBサイトに母は強し…反発受け容認検討 警察庁“幼児と3人乗り”専用車開発でという記事があった。

以前から、幼児との三人乗り自転車運転(というのだろうか?)については、その危険性が指摘されてきていた。
そこで、携帯電話やヘッドフォンステレオなどを使用しながらの運転の規制とあわせて、この春から罰金の対象となる予定だった。
それが(若い)お母さんたちから反発を受け、一転規制から「専用車」の開発へとなったようだ。
その事自体は、良いことだと思う。
ただ気になったのは、「女性の社会進出を無視する政策」などと若い母親を中心に反発する意見が同庁などに相次いだ」という、一文だ。

幼児との三人乗り規制が、女性の社会進出を無視する政策だとは思えないからだ。
確かに、小さなお子さん達の子育て真っ最中の働くお母さんにとって、保育園などの送り迎えが大変なのはよく分かる。
実際、自転車の三人乗りという現実もあるだろう。
だからといって、直接的に女性の社会進出と結びつけるのは、やや乱暴な気がするのだ。

お子さんの成長期に合わせ、移動手段も変化しているはずだ。
何よりも、子育て期間の雇用のあり方を考え直す事のほうが、優先なのではないだろうか?
「女性が働きやすい職場環境」という考えの中には、「子育てがしやすい」ということも重要な要素だが、そこには自転車の三人乗りという要素は含まれていないと思うのだ。

実際、「幼児を乗せた三人乗り自転車運転」という状況は、どんな状況の時なのだろう?
「通勤までの間に、保育園や幼稚園に子供を預ける」、「(近所の)スーパーに買い物に出かける」などといった場面なのではないだろうか?
「保育園や幼稚園に子供を預ける」という場合、より安全に子供たちを預けられる方法をまず考える必要があるだろうし、「スーパーへの買い物」というのであれば、また違ったコト(まさに「専用車」)を考えるべきだろう。

報道の云々というコトだけではなく、「本当の問題点」をキチンと把握した上でイロイロな政策を考えていかなくては、「あ~ぁ、勘違い」という制度を作ってしまうだけなのではないだろうか?