日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

問題の本質を見誤ると、大変-チベット問題-

2008-03-20 19:51:58 | アラカルト
チベットが騒乱状態だ。
これに対して、中国と言うか北京では「ダライ・ラマ14世が暴徒を煽動している」と、盛んに言っている。
「中国の民族政策が正しく、反発するコトそのものが中国ではあってはならない」と言う、雰囲気が十分に伝わってくる内容だ。

ところが、世界各国からは中国政府に対してとても厳しい論調が多くなってきている。
イタリアでは、90%を超える人たちが、北京オリンピックボイコットに賛成だと言う、報道もある。
英国のチャールズ皇太子の北京オリンピック開会式欠席と言う噂(?)まで、飛び出しているようだ。

これに対して日本外務相は、なんとものんびりとしたコメントしか出していない。
それだけではなく、ニュースコメンテーターと呼ばれる人たちの中には、「政治やイデオロギーの問題で、オリンピックボイコットと言うのは残念」と言う人たちもいる。
確かにこれまで「オリンピックボイコット」と言うと、政治やイデオロギーなどによるものだった。
だが、今回のEU諸国や米国大統領候補たちが「オリンピックボイコット」と言っているのは、政治やイデオロギーの問題ではなく、「人権問題」としてチベット問題を捉えているからなのではないだろうか?

一部では、ラサの観光化によって、チベット民族以外の人たちが豊かになり、チベット民族の生活困窮に拍車をかけている、と言う指摘もあるようだが、単なる経済問題では片付けられないような問題を、元々チベットは抱えている。
それはオリンピックと言う世界的イベントを控えた中国にとっては、アキレス腱ともなりかねないような問題であるということは、多くの人たちが知っているはずなのである。
だからこそ、EUや米国大統領候補、ハリウッドスターなどがこぞって、オリンピックボイコットを口にしているのだ。

1989年に起きた「天安門事件」の時、中国は世界中から批難を浴びた。
しかし「国内のことだから」と言って、取り合わなかった。
同じコトを、今また中国政府は繰り返そうとしている。
そして、日本もまた同じ様に「中国内政のことだから」と静観しようとしている。

今回のチベットの騒乱を「中国の内政問題」だと思っていると、日本は「本質が分からない国」だと見られてしまう可能性がある。
他の先進国から、「人権に対して鈍感な日本」と見られても仕方ないような状況になりかねない。
本質を見誤ると、後で大変なコトになってしまうのでは?
まぁ、今の福田さんをはじめ国民生活に鈍感な政治家や官僚がいっぱいいるのだか、仕方のないことかもしれないのだが・・・(トホホ)