日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

おじいちゃんもカッコよく-メンズ市場-

2008-03-14 21:41:36 | ライフスタイル
この春、父と一緒に旅行に行く計画を立てている。
数年前から、夫婦で京都に行ってみたいと言っていたのだが、母が亡くなったため先延ばしになっていた。
ところがいざ行くとなると、なかなか大変なのだ。
と言うのも、父は一人旅と言う経験がない。
と言うよりも、旅行そのものも余り経験がない。
それだけではなく、昭和一桁生まれの父の世代と言うのは、お出掛け=背広にネクタイと言うスタイルが当たり前で、カジュアルなスタイルとは無縁だからだ。
インターネットなどで、旅行向きの春コートやジャケットなどを探しているのだが、どうも父に似合いそうなモノが殆どない。
先日百貨店に行ってみたのだが、やはり「・・・」だったのだ。

改めて百貨店や専門店、ユニクロなどの量販店などに行ってみて気が付いたのだが、紳士服売場が、年々寂しくなっているような気がしたのだ。
世間的には、「チョイ不良オヤジ」などともてはやされているが、個人的には「チョイ不良オヤジ」の姿など見かけたことがない。
私の生活エリアにいないだけなのかもしれないのだが、ごく普通の「オジサン」はやはり「オジサン」なのだ。
そしてそのオジサンの服装もまた、「オジサン・ファッション」だ。
体型云々ではない。

それに比べ、売り場面積も大きく、様々な提案をされているのが婦人服売場だ。
何よりも、同一世代をターゲットにしていても、そのファッション傾向で様々ブランドが凌ぎを削っている。
その傾向は、ファッション雑誌などにも現れている。
「LEON」他、40代以上を対象としたメンズファッション誌が一時期創刊ラッシュとなったが、どうも元気のある(売上が伸びている)印象は余りない。
それに対して、女性ファッション誌は一種の連続性のあるファッション誌の創刊が、続いている。
それが創刊されたばかりの、「HERS」だろう。
「JJ」→「CLASSY」→「VERY」→「STORY」と、10代から女性のライフサイクルにあわせ、その内容を変えてきた。
そして50代の女性を(主婦でもなければ、働く女性でもない)対象としているのが、「HERS」だ。
「団塊の世代の大量退職」が現実になっても、男性誌の多くはサラリーマン対象か、休日充実雑誌(代表的なのは「サライ」だろう)だ。

「団塊の世代」が70代、80代になった時、今の父のような感覚を持ってはいないだろう。
もっと、積極的に国内旅行だけではなく海外旅行を楽しみ、アクティブに活動しているのではないだろうか?(「年金問題が解決していれば」と言うコトもあるが)
とすれば、今のメンズ市場というのは余りにもお寒い感じがする。

ファッショナブルなおばあちゃんと一緒に旅行に行ったり、趣味を楽しむためには「おじいちゃんもカッコよく」と言う、提案がもっと積極的にあっても良いのではないだろうか?