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東京都の納税者はどう考えているのかな?-新銀行東京-

2008-03-26 21:29:29 | アラカルト
新銀行東京への追加融資、400億円が決まった。
何でも東京都民の殆どは反対だったようなのだが、都民の民意とは関係なく条件付追加融資が決まったようだ。
この「条件付き」と言うのが、どれだけ実効性があるのか疑問な気がしないわけではないのだが、東京都民ではない私には、関係のないことなので静観するしかない。

それにしても、この400億円の追加融資は東京都民からの税金だ。
都民はもちろん、東京都に事業税などを納めている企業のトップは、この新銀行についてどのように考えているのだろう?
都民の反対意見が多いという話は伝わってきているのだが、東京都に事業税などを納めている企業のトップの話と言うのは聞いたことが無い。
企業のトップとして、企業経営という視点での新銀行について様々な意見があるように思うのだが・・・。

この「新銀行東京」の発想というか、企業理念はとても良いものだったと思う。
当時は、中小企業の多くは銀行から「貸し剥がし」や「貸し渋り」などにより、事業資金の調達が難しい時期でもあった。
不動産などの資産が無い(既に担保になっている)ため、高度な技術を持っている中小企業、その多くが町工場が廃業に追いやられているような状況だったのだから。
しかしその「ビジネスモデル」と言うか、「事業計画」が余りにもずさんだったように思うのだ。
まるで、失敗が目に見えているような起業家の事業計画よりも、内容の無い事業計画だったのではないだろうか?
それでも事業化できたのは、「東京都」と言いうお墨付きがあったことと、他府県の地方税を遥かに凌ぐ税収があったからだ。
ことばが悪いのだが、道路特定財源の税収を見込んで、不採算高速道路計画を立てている国交省と同じような気がするのである。

元々の発案者である、大前研一氏の考えでは、今の新銀行とはまったく違っていたようだ。
土地など目に見える資産の担保ではなく、中小企業の持っている技術などを資産として担保とするなど、これまでの銀行がしてこなかったあり方を考える必要があったのに、素人が単なる金貸し業をしてしまったことが、大きな問題のよう思うのだ。

昨夜、都議会の席ではじめて石原さんが謝罪のことばを口にした。
このことがニュースになるほどだから、よほど石原さんは新銀行に対しての事業経営の自信があったのだろう。
その割には、肝心要なトコロは責任転嫁と言い訳に終始していた。
一連の石原さんの態度を見て、東京都に納税している企業のトップは、何を思い、どう行動するのだろうか?
納税者として、そろそろ何かを言っても良いのではないだろうか?