日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

どこか不自然さを感じさせるCM-コカコーラ・ミナクア-

2008-04-09 16:32:55 | CMウォッチ
春になって、温か系飲料水から冷たい系飲料水のCMが多くなってきた。
特に、目立つのはお茶系とミネラルウォーターだろう。
ミネラルウォーターの中で、異彩を放つのはDHCの栗駒深層水だろう。
というのは、ミネラルウォーターという商品の性格上、その品質やイメージを伝えるために有効な映像は「自然、緑(もしくは森林)」を中心で、当然その商品を手にするのも爽やかで清潔でアットホームな感じが優先されるからだ。
DHCのCMは、爽やかというよりも商品の美味しさを街頭試飲というスタイルを撮っている。
その意味で、異彩というか異色なCMということだ。

もう一つ、違った意味で変わった印象を与えるCMがある。
それがコカコーラのミナクアだ。
妊婦さんが登場するCM、といえばおわかりだろうか?
この商品は「アクアセラピー」をキーワードに、「ピュアな感覚をもつ女性の渇きを潤す」というコトをテーマに作られている。
確かに、今の女性の感性と合致するトコロがあると思える。
やわらかで、たおやかな存在としての妊婦さんということだと思うのだが、その妊婦さんのお腹が・・・。

周囲で妊娠した女性がいる(または、いた)方ならお分かりだろうが、妊婦さんの姿が不自然なのだ。
あれほど、高い位置で突き出た(そして大きすぎる)お腹の妊婦さんというのは、見たことが無い。
他にもお腹の大きさの割に、胸が張っていないことも不自然さを感じさせる。
現在の特殊メイクなどの技術によって、「いかにも」という作り物の妊婦姿ではない分、余計に不自然さが目立ってしまうのだ。
同じ妊婦さんを起用したテレビCMサンヨーの掃除機エアシスも、やや不自然さを感じないわけではないのだが・・・。

おそらく、現在妊娠中(あのお腹のイメージから想像すると7~8ヶ月くらいだろうか)のモデルさんやタレントさんの起用は、難しかった(というか、人材がいなかっただろう)のだろう。
海外では、アンジェリーナ・ジョリーさんのように妊娠中の女優さんがヌードを公開することもあるが、日本では女優さんやタレント、モデルの妊婦姿というのはプラスではなく、マイナスというイメージが先行してしまうと思われているのかもしれない。
個人的には、マイナスどころかプラスイメージのほうが多いと思うのだが。

ただ、このCMをキッカケに女優さんやモデル、タレントさんの妊婦姿が決してマイナスではなく、優しさやたおやかさ、穏やかさなど、今求められるモノを持っている存在となれば良いと思うのだ。
妊娠そのものは、とても大変なコトではあるのだが・・・。