日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

道路特定財源は、一般財源化済。ただし、福利厚生には使用せず

2008-04-29 22:12:01 | 徒然
来月から復活する事がほぼ確定している「暫定税率」。
いわゆるガソリン税の暫定税率分は、道路特定財源といわれている。
ところが、今回の暫定税率がクローズアップされてから、次々と「目的外使用」が発覚した。
私にとって身近なトコロで言うと、リニモ・こども未来館・動植物園…道路財源こんな利用もという、朝日新聞の記事にあるようなコトが、全国で行われているという事なのだ。

全国の首長サンたちが道路特定財源が欲しいといっているのは、「道路を作る」という建前のもと「地方交付税」を増やしたいという事なのではないだろうか?
ただ、地方交付税としてもらっても一般財源に組み込むことができないために、イロイロな理由をつけて「本当に必要なの?」と思われるような建設費の補填として使われているのではないだろうか?
その結果、地方には生活者にとって本当に欲しい「生活道路」の建設順位が下位になり、政治家にとって「造った!!」と充実感のある、ハコモノや高速道路に使われるような仕組みになってしまっているのではないだろうか?

名古屋の場合、万博の時には利用者が多かったリニモも今では閑古鳥が鳴いている。
梃入れ策として、駅周辺に駐車場を整備し「パーク&ライド」を呼びかけているのだが、効果の程は「・・・」だ。
その理由は、距離が短い割に乗車代が高いからだ。
パーク&ライドを利用するよりも、最寄の地下鉄まで奥さんに送ってもらった方が便利で、リニモの定期代+駐車代という出費も要らない。
実際周辺の大学などでは、地下鉄駅からスクールバスを運行している学校も少なくない。
まして、名古屋そのものは都市規模が大きい割には、自動車利用が便利なまちづくりがされてきたのだ。
記事に取り上げられている「東山動植物園」にいたっては、地下鉄の駅があり、名古屋市内からの来場者の多くは、地下鉄を利用したほうが便利だ。
確かに、来場者のための駐車場整備は必要だったと思うのだが、東山動植物園そのものは名古屋市営の施設である。
そこに道路を造るための国の財源が投入されるというのは、やはりおかしいだろう。
生活道路を必要としている人たちからすれば、納得がいかないだろう。

来月から「暫定税率」が復活する。
「値上げ前の駆け込み給油の長い列ができた」と、ニュースでは盛んに取り上げられていた。
今回のことで、道路特定財源は建設財源という事も、多くの生活者が知ってしまった。
その意味では、既に道路特定財源は既に一般財源化している、と言っても良いのかもしれない。
そこには、「ただし、福利厚生には使わない」という、但し書きが付くのだが。