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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

女だから?イエイエ、観察力と発想の違い-駅前パウダールーム-

2008-05-14 20:20:17 | マーケティング
朝日新聞のWEBサイトに、渋谷駅前に「女の味方」 勝負?前に「変身ルーム」と言う記事が掲載されている。

この記事を読んで男性諸氏は、「やっぱり、女性だからだな~」と思われるのかも知れない。
「本当にそうなのかな~?」と、私は思うのである。
むしろ、観察力と発想の違いなのではないだろうか?

女性の観察力と言うのは、一つのモノを見ているようで見ていない。
いつも複数の事を見ているのだ。
それを「注意力散漫」と呼ぶのかもしれないのだが、決して気が散漫しているわけではなく、「これって、どういうこと??」と感じてしまうと、そこからイロイロなことを観察しながら考えてしまうだけなのだ。
「一つの事が気になりだすと、周囲のコトまで気になってしまう」と言うのが、女性の観察力だと思うのだ。

周囲のコトまで気になってしまうと、イロイロな発想(=多くの場合解決策)がそれなりに生まれてくる。
その積み重ねとして、この記事ような「駅前パウダールーム」と言う発想が、うまれてくるのだ。
何より、この場合は「女性が不快に感じている」と言う問題点を、解決すると言うところから、発想が生まれている。
これが「トイレが汚い」と言うだけなら、駅周辺のコンビニやホテル、公共施設などのトイレを利用すれば、問題は解決する。
だが、「汚いトイレで、やりたくないモノ・コト」+「キレイなパウダールームでやりたいコト・モノ」+「あったら便利だと思うモノ・コト」が、組み合わさってこのようなサービスの提供と言う発想になっていくのだ。

このような観察力や発想力こそが、マーケティングのスタートとなるモノだと思うのだが、どうも世間的にはデータ中心で考えられているような気がする。
データは、確かに客観性に富むモノではあるのだが、それも使い方と見方によって、同じデータからまったく違う発想が生まれてくる。
例えば、「汚い公衆トイレ」の意識調査で、「使いたくない、できれば使いたくない」が圧倒的に多かったとする。
考えられる対応策は、
①トイレをキレイにするために、清掃員を増やす(または、常駐させる)
②トイレ利用の啓蒙キャンペーンをする
③百貨店やコンビニ、ホテルや飲食店のトイレ利用を提案する
と言う内容が殆どだろう。
これまでの提案の多くは、ここで終わっていた。
その視点では、利用者の満足度を引き上げることにはならない。
+αが欲しいのだ。
その+αとなるモノが観察力であったり、(利用者側に立った)発想力だったりするのだ。
それは、女性だからもっているモノではなく、不便さを感じるコトだったり、観察力から生まれ、どうしたら便利になるの?と言う発想へとつながっていくだけのことだ。
そこには、男性・女性の違いなど無いはずなのだ。


二兎を追うものニ兎を得るか?-道路財源の一般財源化-

2008-05-14 11:53:57 | アラカルト
昨日、道路特定財源の延長が正式に決まった。
これで、今後10年間分として考えられる60兆円分の道路整備が、ほぼ決まったようだ。
しかし、福田さんは同時に一般財源化も「責任を持ってやる」と、おっしゃっている。
選挙向けとしては分かるのだが、現実としてできるのだろうか?
「二兎を追うもの一兎も得ず」と言う気がするのは、私だけなのだろうか?

そんな中、朝日新聞に大阪府知事の橋下さんの興味深い記事が掲載されている。
「ダムは最悪の選択」 識者、橋下知事に進言と言う、内容の記事だ。
国土交通省・近畿整備局と大阪府で、どのようなダム建設を予定しているのかは知らない。
おそらく「ダム建設アリき」で、話が進んでいるのではないだろうか?
なぜなら「走り出したら(と言うか、計画したら)止まらない、止めたくない公共事業」だからだ。
それでも、識者を集めて意見を聞くと言う橋下さんの姿勢は、とても大切だと思う。
と言うのは、これまで識者と呼ばれる専門家の人たちが「必要ない」と言っていても、無理やり造っていたからだ。

限られた予算の中で、有効なお金(=税金)を使うとすれば、どうしても取捨選択が必要となる。
ならば、の道の専門家に話を聞いて、判断材料にしよう!と言うのは、多くの府民にとって理解・納得が出来る方法だと思う。

福田さんの言っている「道路特定財源の一般財源化」をすると言うのであれば、まずこのような政府側の調査だけではなく、第三者(当然、特殊法人などとも関係のない人たち)による意見交換がオープンにされたうえで、「この道は造りましょう、この道分は一般財源にして、医療費や教育に回しましょう」と言う論議がされなくては意味が無いし、実行力も乏しいものになってしまう。

福田さんの言っている「二兎を追うもの、二兎を得る」と言うのであれば、まず政府(官僚や、特殊法人などの外郭団体を含む)側の意見だけではなく、まったく利害関係のない人たちの意見をオープンな場で、話を聞いた上で判断をする必要があると思うのだ。
でなければ、国民は納得できないと思うのだが・・・。