プレミアム化するファミレスのドリンクバー

しばらく前に、「買いたいコーヒー調査」の結果が、話題になっていた。
普通に考えれば、マックに代表されるファーストフード店のコーヒーよりも、カフェの大御所スタバに軍配が上がるはずなのだが、結果は意外にもマックに軍配が上がった。
これは、アメリカでも同様の調査の結果が出ている。
今やファーストフード店のコーヒーだからといって、侮ってはいけないのだ。

その時対象となったマックのコーヒーと言うのは、「プレミアム」と呼ばれるコーヒーだ。
そしてそのプレミアム化は、マックにとどまらずファミレスにまで及びはじめている。
と言うのも、久しぶりに行ったファミリーレストランのドリンクバーに驚いたからだ。
紅茶や中国茶、ハーブティーなどのリーフがポットに入れて並べられていたのだ。
もちろん、リーフティーを飲むためのティーポットも用意されている。

昨年あたりからだろうか？コーヒーについては、１杯ごとに機械で豆を挽き、ドリップしたモノが飲めるようになっていた。
しかし、紅茶や中国茶、ハーブティーなどは、ティーバッグが並べてあるだけだった。
コーヒーと炭酸飲料をあまり飲まない私は、紅茶やハーブティー、中国茶などを飲むことが多い。
実はティーバッグのお茶というのは、リーフティーではなく粉茶と呼ばれるタイプの茶葉が使われている事が多い。
理由は、早く抽出できる＝早く飲めるからだ。
それに対して、リーフティーとなると、カップではなくティーポットに入れ、お湯を注いで、２、３分蒸らすと言う手間と時間が必要となる。
飲んだ後の茶葉を捨てる時も、ティーバッグのようなわけにはいかない。
そのため、手間とコストを考えればティーバッグタイプの方が、飲み放題中心のドリンクバーにとっては、都合が良いはずなのだ。
なのに、あえてリーフティーを置くというのは、コーヒー同様「プレミアム」的価値をつけることによって、差別化を図りたいという考えがあるからだろう。

もう一つ考えられるのは、「食べるだけ」の場所から「時間を過ごす」場所と言う、もう一つの価値を加えたいと言う考えがあるように感じている。
安心・安全な食品の提供と言うのは、ファーストフード店でもミシュランの三ッ星レストランであろうと当たり前の事だ。
そこに、同業他社とどれだけ違うサービスを提供できるのか？どのような提案を生活者にできるのか？と言う、差別を図らなくては難しいと言うことなのだ。

ファミリーレストランにおけるドリンクバーのプレミアム化は、その一つだと言えそうだ。