日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

高機能VS自然派-スキンケアのトレンド-

2008-05-13 22:43:23 | トレンド
先週、渋谷にフランス・プロバンスのロクシタンのショップがオープンして、話題になっていた。
日本発のカフェ付きショップと言うことで、早朝から女性が行列を作っていたのが、テレビなどのニュースになっていた。

拙ブログに来てくださる男性諸氏にとっては「ロクシタン?」と言う、感じではないだろうか?
分かりやすいイメージは、イギリスのザ・ボディショップよりも、おしゃれにしたフランス版のようなスキンケアショップだ。

この「ロクシタン」のメイン商品は、最近ドラッグストアなどでも見かけることが多くなった、「シアバター」と言う植物油脂とハーブエッセンスなどを使ったモノ。
その容器を見ると、「昔の歯磨き粉みたい」なチューブ入りのハンドクリームや、クラッシックな感じのガラスのボトルに入ったボディーローションなどで、そのチョッとクラシックなデザインが若い女性の心をくすぐっている。
もちろん、テクスチャー(=使用感 化粧品ではこのような表現をする事が多い)も、やわらかく肌馴染みも良いという点でも人気なのだが、ハーブエッセンス主体などで、香りも良い(ただし、香りについては好き嫌いがあるので、一概には言えないのだが・・・個人的には、日本人には強いと感じるのではないか?と思っている)。
何より「自然派コスメ(=肌にやさしく、良さそう)」と言う感じが、人気になっているように思えるのだ。

反面、テレビCMなどを見ていると、トラブルを抱えた女性の心をひきつけるのが様々な機能コスメだろう。
特にこの時期は、紫外線対策+美白は関心の高いトコロ。
昨年の春カネボウが発売した、マグノリグナンを配合した、スキンケアシリーズは大ヒットをし、今年バージョンアップリニューアルをして発売している。
資生堂やマックスファクターなどの大手に限らず、次々と高機能スキンケア商品を投入している。
こちらのパッケージの傾向は、「ロクシタン」とは対極的なシンプルでシャープなモノが多いのも特徴だろう。

それにしても、女性の美への探究心は尽きる事が無い。
ロクシタンのシアバタ-ハンドクリームを使いながら、シミ対策として高機能コスメを使っている・・・と言う姿が想像できる。



アトムの子供たち-日本のロボット開発-

2008-05-13 11:34:33 | アラカルト
産経新聞に「すごいぞ日本」という連載記事がある。
その中で、「心やさしい」と言う、シリーズが現在掲載されている。
「心やさしい」というのは、ロボット開発をしている人達のことを指しているようなのだが、「心やさしい」ロボット開発の基となっているのは、どうやら手塚治さんの「鉄腕アトム」のようだ。

昭和30年代に生まれ・育った世代にとって「アトム」の存在は、とても大きい。
そればかりか、アニメーションの「アトム」で使われたテーマソングの「心やさしい科学の子」というフレーズは、アニメーションやマンガを見て育った子供たちに、「ロボットは、人の助けをするやさしいモノでなくてはいけない!」と、刷り込まれたようにも思うのだ。
それを象徴しているのが、シリーズ1にある
「非軍事という特殊性こそが日本のロボット開発が世界を牽引(けんいん)していくことの大きな意義になる」、や
「人を幸福にしなければ、テクノロジーの意味はない」
と言う、研究者の言葉だろう。

「日本の平和ボケ」という言葉を聞いて久しい。
だが「平和ボケしてどこが悪い!」と言う気持ちも、私の中にはある。
むしろこのような研究は、平和だからこそできる研究のような気がするのだ。
軍事目的なら、もっと違うやり方があるだろう。
もちろん、軍事目的であったモノ・コトが、平和目的に利用される事もある。
その例が、私たちが普通に使っているインターネットや、以前拙ブログでもエントリをしたことがある(と、記憶している)「形状記憶合金」だろう。
「形状記憶合金」については、日本ではブラジャーのワイヤーとして使い、米国ではミサイル発射機具の一部として使っていた。
どちらが人を幸せにするの?と聞かれれば、ブラジャーのワイヤーのほうだろう。
その様な発想は、やはり平和だからできるのではないか?

「アトム」から60年近くの年月が経っても、今でも私たちの中には「心やさしい科学の子」がロボットのあるべき姿だと思っているコト(=文化)が、とても素敵に思えるのだ。
やはり、日本のロボット研究者たちは「アトムの子供たち」なのかもしれない。