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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

郊外型から街中型へ-スーパーマーケットの今後-

2008-05-25 12:11:04 | トレンド
中日新聞のWEBサイトに、お年寄りに医食住施設 名古屋にユニー、閉鎖店舗を再開発と言う記事が掲載されている。

この記事を読んで、「やっと街中型の大切さに気が付いたのか」と思った。
ここ10年以上、スーパーマーケットの郊外店舗化が進んできた。
この傾向は都市部に限らず、田舎でも見られる。
その理由の一つとして上げられるのが、「駐車スペースの確保」だ。
クルマを利用して買い物に行くとなると、どうしても駐車スペースの確保が必要となる。
それだけではなく、周囲の市町村からの集客を考えると、バイバスなどのクルマ優先で考えられた道路周辺と言うことにもなる。
実際、その様な「郊外型メガストアー」は、家族が1日過ごせるような施設が含まれている所が多く、今や標準的になっている。
そのため、街中にある中小規模の店舗での経営が難しくなり、撤退が相次いでいた。

確かに、クルマ中心で考える買い物であれば「郊外型メガストアー」は、とても便利だろう。
しかし、社会全体が高齢化にある現在、クルマに頼れない生活者も増えてきていることは事実なのだ。
そこで考えられるようになったのが、「コンパクトタウン」という都市計画だ。
生活に必要なスーパーや役所の出張所、病院などを中心に集約し、その徒歩圏内に住宅を作る街づくりのことだ。

実際、高齢となった父を一人残して心配な事の一つが「生活の不自由さ」だ。
ご近所付き合いと言うのは、様々な方法を考え私なりにフォローする事もできるのだが、「生活の不自由さ」だけは、フォローのしようがない。
まだ、元気にクルマを運転している間は良いのだが、それが後何年できるのか?と考えると、買い物一つにしても不安要素となってくるのだ。

「世代の違いによる生活サイズ」と言う視点からすれば、「徒歩圏内」、「クルマ生活圏」と言う棲み分けがあっても良いのではないだろうか?
クルマそのものは、とても便利なモノだし、クルマがあるメリットは計り知れない。
その便利さにかまけて、徒歩10分程度のところへ行くにもクルマで行くという方も、世間にはいる。
自動車免許を持っていない私からすれば、エネルギーの使い方の間違いのように思えるのだが、それが今の現実だろう。
だからこそ、高齢者になり運転免許書を手放すコトができず、高齢者の自動車事故が増える要因ともなっているように考えるのである。

高齢者が進む地方だからこそ、このような「コンパクトタウン」と言う「まちづくり」発想が必要だと考えるし、もしかしたらシャッター通りとなっている商店街の活性化のアイディアの素になる可能性もあるのではないだろうか?

「大きい事はいいことだ!」と、声高らかに歌っていた時代ではない。
「右へならへ」のまちづくりも、もう古い。
都市の人口構成を見越した将来型の「コンパクトタウン」と言う、まちづくりが今求められているのではないだろうか?





数字あわせの「医療制度改革」

2008-05-25 00:10:51 | 徒然
毎日新聞のWEBサイトに、療養病床:削減を断念「25万床維持必要」 厚労省と言う記事が掲載されている。

この「療養病床削減」については、イロイロな問題が指摘されていた。
高齢化するほど療養病床は必要となり、療養病床があるからこそ、家族が安心して病人である高齢者介護をする事ができたと言う実態があった。
その他にも若年時に難病を発症すれば、それこそ長期にわたる療養医療が必要となる。
そのための「療養病床」だったはずなのだが、「医療費にお金がかかる」と言う理由だけで、その実態を調べもせずに切り捨ててしまったのだ。

ところが、実施後2、3年経過して実態を調べたら「実現不可能でした!」と言う調査結果が出たと言うのである。
なんとも、開いた口がふさがらないと言うか、「普通、実施する前にキチンと実態調査をするだろう!!!」と、言いたくなってしまうのは、私だけではないだろう。

この制度改革によって、療養者を抱える家族の経済的・肉体的・精神的負担は格段に増えたばかりではなく、診療の見直しや病院の閉鎖などに追い込まれた医療機関もある。
その人たちにとっては「何を今更」という、怒りしかないだろう。

では何故、このようなことが起きてしまったのか?
それは、霞ヶ関のお役人さん得意の「数字あわせの改革」だったからだ。
「医療費増大」→「削減目標」→「一番効果的な項目・内容の費用削減」→「削減策決定」という手順で、考えられたと言うのが想像できてしまう。
ここで何故「現状調査」が行われなかったのか、不思議でたまらない。

もう一つ、最近話題になっている「ホームドクター制度」についても、耳ざわりの良い言葉を使うコトで、その実態などはまったく見ていないと批判が多い。
個人的には「ホームドクター制度」というのは、決して悪い制度だとは思わない。
自分のかかりつけ医をもつことで、気軽に健康相談などができれば生活習慣病などの予防にも役立つだろうし、結果医療費が下がれば問題がないからだ。
ところが、厚労省の考えた「ホームドクター制度」というのは、まったく内容が違うように感じるのだ。
単に「専門医で受診は止めてください」と、言っているだけのように思えてならないのだ。
それを今になって「説明不足」とは?
元々制度として、十分な検討や医師会などとの話し合いなどが、まったくされないまま、半ば見切り発車のようなカタチでスタートしたようにしか思えない。

霞ヶ関で、遅くまで働く官僚の皆さん。
数字ばっかり見ていると、現実・実態がわからなくまりますよ!
そろそろ「数字あわせの制度作り」は、やめませんか?
皆さんが作った「数字あわせの制度」で、益々は日本が壊れていくコトになりますので。