日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

魅力的なプロ野球を創ることのほうが大切

2008-10-08 19:25:43 | スポーツ
日本石油の田沢選手が、日本のプロ野球球団に「ドラフトで指名しないで欲しい」と、連絡をしている。
それに対してプロ野球機構は、なんともおかしな対応策を考えついたようだ(紹介記事は毎日新聞)。

プロ野球側としては、「優秀な人材の流出を食い止めよう」と思っての策なのだろうが、どこかズレている。
そもそも田沢選手が「何故、メジャーに行きたいと思ったのか?」というコトが、抜けているのだ。
「日本人なら、日本のプロ野球でプレーするのが当たり前」というコトしかないのだ。
しかし、日本では「職業選択の自由」が保障されていると思うのだが・・・。
日本のプロ野球界では、そんなコトは関係ないらしい。

ここ数年、プロ野球は人気低迷といわれている。
今年のプロ野球中継は、放送時間の延長が大分無くなった。
シーズンオフになると、メジャーリーグに移籍する選手が毎年いる。
メジャーに行った選手総てが、成功する(=期待されただけの成績が残せる)訳ではないのだが、メジャーに行く選手は後を絶たない。
むしろ、日本のプロ野球をステップにメジャーに行く、という雰囲気すらある。
それが良い悪いのではなく、今ではそれが当たり前になりつつあるのだ。

そのステップである日本のプロ野球を経ること無く、直接メジャーに行きたい!と考える選手がいてもおかしくは無いだろう。
まして、直接メジャー球団からオファーがあるのなら、尚更だろう。
それなのに、「日本人なら日本のプロ野球」という考えでは、最初からメジャーに行きたい選手(今回の場合は田沢選手)とでは、話がかみ合わないと思うのだ。
それよりも何故、メジャーリーグからオファーがあっても、日本のプロ野球でプレーしたいと思わせるような、努力をしないのだろうか?と、思ってしまうのだ。

北京オリンピックでは、金メダルを期待されながらメダルに手が届かなかった。
監督の問題もあったのかも知れないが、試合球が日本で使用されているモノとオリンピックとでは違っていたとも聞く。
優勝した韓国などは、オリンピック開催期間中はプロ野球のリーグを休んで、トップクラスの選手を参加させていたという。
日本代表の選手たちが、トップクラスの選手ではなかったとは言わないが、少なくともリーグを休む位のコトをしなくては、やはりメダルには届かなかったのではないだろうか?
プロ野球機構そのものが、オリンピックに対してさほど積極的ではなく、「日本の野球が一番」と、思い込んでいただけのコトなのではなかったのでは?

そんな「自分たちが一番」と思っている限り、アマチュアの選手たちにとって魅力的なプロスポーツにはならない。
そんな当たり前のトコロから、プロ野球の偉い人達は考え直すほうが先決だと思うのだ。
まぁ、私はプロ野球ファンではないので、別に構わないのだが・・・。



プレミアムな日本に

2008-10-08 13:39:08 | アラカルト
昨日に引き続き今日も、日経平均株価が1万円割れとなった。
アメリカ発の金融不安が、全世界へと広がってきている。

以前、本を読んだとき「人は、正体が分からないモノに対して不安を持ち、正体が分かれば怒りになる」という一文があったように記憶している。
正に、今回の経済状況は将来が見えないコトへの不安が、疑心暗鬼となっている状態なのかも知れない。
だからこそ、実体経済をキチンと見て、冷静にならなくてはいけないのではないだろうか?
といっても、私はエコノミストでも経済評論家でもないので、断定的なコトはいえないし、言ったところで責任ももてない。

そんな中、ノーベル賞物理学の部門で日本人3人の共同研究者が受賞した(紹介記事は朝日新聞)。
このうちのお一人・南部先生は「予言者」といわれるほど、「先見性を持った思考」を持っていらっしゃるようだ。
物理の世界に「予言者」はいないと思うのだが、その理論を組み立て、実験をしていく中で発見をされ、その過程で予測される事が「予言者」的(=斬新的発想?)なのだろう。

既にご存知の方も多いと思うのだが、日本のノーベル賞受賞分野は圧倒的に物理や化学といった分野だ。
そして、日本人が受賞していない分野のひとつが、経済学の分野(正しくは「ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」)だ。
その経済の分野で一番多く受賞しているのが、アメリカだ。
最近では「ノーベル賞から外すべきではないか?」という声も多い。
というのもノーベル賞を受賞した経済理論は、その後崩壊する傾向があるからだ。
「崩壊する」というのは乱暴な言い方なのだが、「ゲーム理論」や「デリバブルの価格決定の新手法」など、現在のアメリカ発の経済危機の基となった考えが多いからだ。

「物づくり>非物づくり」だとは思わない。
もちろん、日本の経済は輸出企業で支えられている、という現実も無視する気は無い。
ただ、モノを作る過程で様々な発想や思考が、日本を支えているのではないか?と考えるのだ。
今回のノーベル物理学賞受賞者3人は、そんな事を良く表しているように思うのだ。
その意味で日本は「オリジナルな発想や思考力を活力に変える、プレミアムな日本」を目指すコトが大切なのでは?と。