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テレビ局が倒産したら・・・?

2010-06-10 19:38:37 | ビジネス
朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、自虐ネタというか、現実にならなければ良いのですが・・・、と思う記事が掲載されていた。
テレビ東京が「テレビ局が倒産したら」という映画を製作した、という記事だったのだ。

ご存知のように、テレビ局の大きな収入である「広告収入」が減りつづけている。
代わって増えているのは、「ネット広告」だ。
多くは「テレビCMで関心を喚起し、詳しくはネットで説明」というパターンが主流になっている。
そのため、テレビCMそのものは、ネット広告へと繋がる内容のモノで十分という感じになりつつある。
ネット広告は、興味のある人がクリックするコトで、企業にとってはダイレクトに顧客に繋がる「コミュニケーションツール」という側面もあるため、莫大な費用のかかるテレビCMよりも効率が良い。

多くのテレビCMは、番組提供というカタチで放送される時間を購入するため、テレビCMの収益が減るというコトは、番組作りの費用も制限されるという面もある。
だからだろう、ここ数年「ゴールデンタイム」と呼ばれる時間帯で目立つ番組は、バラエティー番組が多い。
それも、吉本興業出身のお笑い芸人さんか、ジャニーズ系。
テレビのチャンネルを替えても、同じ芸人さんが登場していたりするコトも少なくない。
テレビを見ている側(=視聴者)としては「似たり寄ったりの番組ばかり」というコトになり、益々「テレビ離れ」が進む結果になってしまっているように思える。

そんなテレビ局を取り巻く経営・社会環境を、テーマにした映画をテレビ局自ら作ったというのだ。
自虐的なのか?大真面目なのか?分らないが、テレビ局自体が、自分たちが置かれている経営・社会環境を真っ向から取り上げているというコトに、とても興味が湧く。
それも、キー局としては一番地味な(といっては失礼だが)テレビ東京が製作した、というトコロがポイントだろう。
それも、吉本興業のお笑い芸人さんたちが出演し、葬儀社に買収されるというストーリーというのも・・・やはり「自虐ネタ」というコトだろうか?

例え「自虐ネタ」であったとしても、テレビ局自体が「テレビ局とは」というコトを考え始めたことは良いコトだと思う。
ネットやゲームと共存出来るテレビ番組、それを提案できるテレビ局という、新しい模索が始まったのかも知れない。