日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

子ども手当てと子どもたち

2010-06-09 15:25:29 | アラカルト
民主党の公約である「子ども手当て」の支給が、一部自治体で始まった。
「来年度以降の満額支給は難しい」というコトのようだが、一人あたり13,000円/月という金額は、決して小さな額ではない。

そしてこの「子ども手当て」支給開始で、様々な業種の企業が動き出しているようだ。
その一つが、「学習塾」だろう。
新聞の折り込み広告でも、しばらく前から随分と多くなってきた。
既に、多くの小中学生たちが「学習塾」に通っているというコトを考えれば、まだ塾通いをしていない世帯に対してのアプローチというコトだろう。
もちろん、スポーツクラブや英語塾といった、「お稽古事」系も増えてきたような気がする。

こうした「教育産業」だけではない。
イオンなどは、「みんなに値下げキャンペーン」(注意:pdfファイル)と銘打って、夏のセールを展開している。
このセールには、「子ども手当てのある方、ない方」というキャッチコピーが使われている。
「子ども手当て」を使ってもらいたい、というのが第一の趣旨というコトだろう。
もちろん、それでは「子ども手当てとは関係のない世帯は、相手にしていない」と、思われてしまうので「ない方」というコトバが、付けられている。

そして「ない方」に対しても、通常のセールキャンペーンとは違う、という点を理解してもらうために「売上金の一部を子どもたちのために、寄付します」という内容になっている。
実は、この内容の広告が今日の朝刊に全面広告として掲載されていた。
広告そのものは、「なるほどね~」という程度にしか思わなかったのだが、「日本国内のこどもの貧困対策に使われます」という一文を読んだ時に、「そんな現実があるの?」と、一瞬思ってしまった。
おそらく「日本国内の子供の貧困」というのは、母子家庭などの子どもたちのコトを指しているのだろう。
もしかしたら、虐待などで親から引き離されて生活するコトがベストだと、判断された子どもたちかも知れない。

その様なことを考えながら、一方では「日本の経済って、そんなに悪いの?」とも思ってしまったのだ。
どこかお金の流れが、違った方向へと行っているのでは?という、気がしたのだ。
お受験に熱中する親御さん、中学受験のために遅くまで塾通いをする小学生たちがいる反面、「貧困層」と言われる中で生活をしている子どもたちがいる現実は、何かおかしな気がするのは私だけだろうか?