日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

正月広告-資生堂-

2011-01-01 20:25:56 | アラカルト
明けまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、昨日は「大晦日に見た『お正月CM』」というテーマのエントリをしたが、今日は、新聞広告について。

例年、テレビCM出演をしている女優さんやタレントさんが登場する「資生堂」の広告。
それが今年は、一切登場していない。
代わりに登場しているのは、「資生堂」の顔であるメイクアップ商品群だ。
そのメイクアップ商品を、銀座の街に見立てている。

「1月1日新聞広告」

もちろん、資生堂が現在企業メッセージとして使っている「一瞬も、一生も美しく」というコピーはあるのだが、それよりもメイクアップ商品のカラフルさやその数に一瞬圧倒されそうになる。
だからと言って、資生堂が伝えたいのは商品の多さではない。
自社がある「銀座」という街が持っているポテンシャルのようなモノを、商品を街並みに見立てることで伝え様としているように感じるのだ。

ここ2、3年で「銀座」という街は、様変わりした。
かつてのような「日本で一番お洒落で、ハイセンスな大人の情報発信地」という趣きから、国内外のファストファッションや、家電量販店が進出するようになってきた。
「大人の街・銀座」という雰囲気が、消え去ってしまったように感じるのだ。

そんな「銀座」を自社ビルのオープンとあわせて、リニューアルしたい!と言う気持ちが伝わってくるのが、今年の広告なのだ。

今日掲載されている、イヴ・サンローランのコスメ広告も目的やメッセージは違うのだが、Popさと言う点では、似た雰囲気がある。

「YVES SAINLAURENT LOVE CELEBRATION」

こちらは、あくまでも新商品発表を兼ねたコフレ(=少量の最新化粧品がセットでオリジナルポーチなどに入った限定商品)の広告。
これまでの海外ブランドの多くは、外国人モデルや女優さんのアップ写真が使われることが多く、今回のようにサンローランの名前と今回のテーマ「LOVE」を手書き風の文字だけで表現すると言うのは、珍しいように思う。
それが逆に、目を引く結果になっている。

何となくだが、「資生堂」も「イヴ・サンローラン コスメ」もあえて人を使わないことで、「化粧品は美しさだけを作っているのではない。その先にあるモノを作っている」というメッセージを伝えているような気がする。
「その先にあるモノ」とは、今年1年掛け、様々なカタチで発信されていくのでは?と、思っている。