日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

輸出できるモノがまだある日本

2011-01-17 19:22:12 | ビジネス
昨日「輸入大国・日本」というテーマで、エントリをした。
でも、まだまだ日本には輸出できるモノが沢山あるのでは?と言う気がしている。
その一つが「おもてなし文化」だ。

日本では頭打ち(と言っては失礼だが)となってきているユニクロだが、ファッションの本場・パリ店では連日行列ができるほどの人気だと言う。
その理由は、「店員さんの態度」。
ユニクロでは、「日本式接客教育」というモノが徹底されていると言う。
「日本式接客教育」というのは・・・。
例えば、カード決済をしたお客様に、両手でカードを返却する、と言ったことだ。
他にも、丁寧な挨拶や売り場案内など、日本では当然・当たり前と思っている接客態度が、フランス人にとっては「とても丁寧で、気持ちが良いモノ」として受け入れられている、と言うコトのようだ。

昨年の夏頃から、FMのラジオCMで「世界に伝えたいな、日本のおもてなしのこころ」という内容のモノがある。
ラジオCM自体は、そんな一言で終わりになるようなモノではなく、15秒程度はあったと思う。
その一つは和食では当たり前となっている、薬味などの「天盛り」などに込められた「相手を思いやる何気ない心遣いの表現」と言ったことだったように記憶している。
「日本料理」に付き物の「天盛」の意味は、見た目の美しさだけではなく「まだ誰も箸をつけていませんよ。あなたのためのお料理ですよ」というコトを表現している、と言うコトだ。
他にも、来客時間の直前に打ち水をしお客様を出迎えると言う事も、客人への心遣いとしてあげられていたように思う。

先日書店で見かけた香山リカさんの「気だてのいい人」宣言!という本の帯に「お先にどうぞ」という言葉があった。
考えてみれば、日本の文化の中には「チョッと引いて、相手を優先させる」というコトもあった。
数年前に流行した(?)「江戸しぐさ」の一つだ。
そんな、チョッと優雅で心遣いのある仕草など、すっかり今の私たちが忘れかけている「日本の文化」が、もしかしたら新しい「輸出産業=ソフトパワーの輸出」というコトになるのかも知れない。

麻生さん以来、「日本の文化輸出」となるとマンガなどのサブカルチャー的なモノばかりが注目を浴びているが、一方では「侘・寂」の文化がある。
「侘・寂」という「引き算の美意識」と、今や世界のファッション発信地の一つとなりつつある原宿文化のような「奇抜な足し算文化」が同居しているのが、日本なのかも知れない。
そのような視点で見てくると、日本が持つ多様性文化と言うのは、世界の中でもとてもユニークな存在なのではないだろうか?
そのユニークさを私たちは、もっと大事に考え「文化」として積極的に発信する時代が来ているような気がする。