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「ユニクロ」疲れ?

2011-01-06 11:35:33 | ビジネス
日経新聞をはじめ新聞各紙のWEBサイトに、「ユニクロ」の売上減少を報じている。
確かに最近、ユニクロに出かけてもお客さんが減っている感がある。
新聞の折込広告を見ても、今までのような勢いが感じられない部分がある。
と言うのも、これまでの「ユニクロ」のヒット商品が、比較的長い間プライスオフになっているコトが増えたからだ。

これまで「ユニクロ」は、フリースの低価格化に成功させ、それまでアウトドアウェア専門のだった素材「フリース」を一般的なアパレル素材にした。
それをキッカケに、大手スーパーなども参入して「フリース低価格化」が一気に進んだ。
その後、「夏のTシャツ」「冬のヒートテック」が、「ユニクロ」の顔となったコトは、ご存知のことだと思う。

「夏のTシャツ」は別にして、「冬のヒートテック」のヒットは、大手スーパーだけではなく通販のアパレルなどにも波及し、昨年冬の通販カタログには「ヒート○○」素材が目に付いた。
それだけではなく、昨年発売した「プレミアムダウン」は、それまで「暖かいけど重たいダウンウェア」というイメージを一新した「軽量ダウンウェア」は、発売直後から大手通販などを中心に類似商品が市場に出回った。
その意味では、「ユニクロ」は常に新しい素材市場を創造してきた企業だとも言える。
だが、その反面デザインやファッション性という部分では、どうなのだろう?と、疑問な部分もある。

と言うのも、以前話題になったジル・サンダースとのコラボブランド「J+」の新作が、まったくと言ってよい程話題にならないのだ。
確かに「ユニクロ」の中では、価格的には割高感がある「J+」。
でもジル・サンダースのデザインとなれば、破格の安さと言うコトになる。
残念ながら、今の「J+」はそのジル・サンダースのブランドバリューを活かしきれていない、と言う印象だ。
とすれば、「ユニバーサルクローズ=世代・性別を問わないコンサバティブな服」を目指すべきだと思うのだが、その方向性もハッキリしていないという印象だ。

もう一つは、昨年秋頃からいわれはじめた「節約疲れ」というコトも、影響しているのかもしれない。 
「節約」という視点であれば、日常着はさほどファッション性を必要としない代わりに、今ある服で十分間に合う。
ビジネスで着る服は、それなりのキチンと感が必要だ。
当然のコトながら、それなりの価格の服というコトになる。
「『ユニクロ』でなくてはダメ!」と言う購入理由が見当たらないと言うのが、売上に影響しているのではないだろうか?
それはある意味「ユニクロ疲れ」というコトなのかも知れない。