日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

主婦の景気判断

2011-01-11 13:52:51 | ビジネス
いわゆる「景気判断」とか「景気予測」と言ったモノの多くは、金融関係が発表するデータが多い。
その判断基準となるのは、企業の設備投資などが中心となる。
そんな中、より生活実態に近いのでは?と思われる「景気判断予測」が、静岡新聞のWEBサイトに掲載されていた。

主婦の景況感改善 静岡経済研究所アンケート

この調査を担当した「静岡経済研究所」というのは、別名「渋銀(=融資など簡単にしてくれない銀行)」とも呼ばれる「静岡銀行」のシンクタンクだ。
そして静岡と言えば、様々な新商品のテストマーケティングが行われる、「日本の平均値」的生活志向がある地域とも言われている(と言っても、今は違うかも知れない)。
そんなコトを考えると、この「主婦の景況感」というのは、「平均的日本の主婦感」とも言えるのでは?と、思ったのだ。

もちろん、大都市部と過疎地の田舎とでは「生活感」そのものが大きく違うし、人口構成などにも影響されるのが「実感的景気」だ。
だから、単純にこの調査が「日本の主婦の平均的な感覚」ととらえることは、乱暴な部分もあるかもしれない。
それでも、一つの「生活者感」という視点で見てみると、案外遠からずという感覚なのではないだろうか?

さて、その内容を見てみると・・・。
意外な印象を受けるのが、「充実させたい支出」として「旅行」などのレジャー項目が挙がっている点だ。
「レジャーなどにお金を掛けたい」という気持ちが生まれ始めている、と言うコトを考えると、若干景気そのものは持ち直し始めているのでは?と言う気がする。
しかし、日頃の生活面では「外食費を減らしたい」と、なかなか厳しい。

逆に言えることは、「衣食住」の中で「衣服」と「食」に関しては、既に満足できるレベルの生活環境にある、とも言える。
それが、百貨店などをはじめとする「小売業の苦戦」の理由なのではないだろうか?
とすれば「モノを売る空間」としての百貨店ではなく、「体験を売る空間」としての百貨店・小売り業と言う、大胆な発想の転換が必要なのかも知れない。
例えば、大きなキッチンスタジアムで、顧客参加のお料理体験+食材販売と言うようなコトだ。
「カリスマ」と呼ばれる料理研究家による、お料理体験と言うだけではなく、今の季節なら「受験生応援料理体験」のようなモノでも良いだろう。
一方では、「コンシェルジュ」による顧客一人ひとりの相談にあわせた、生活コーディネート(相談会)と言う方法もあるのでは?

限られた「お財布」の中から上手に貯蓄をし、生活を楽しむ・・・そんな知恵を働かせている主婦の景気判断には、ビジネスのヒントが隠されているような気がする。