日々是マーケティング

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成熟した社会?それとも・・・

2011-01-03 20:46:08 | アラカルト
「博報堂生活総合研究所」が、昨年暮にあるレポートを発表している。
「国の年齢イメージ調査」(注意:PDFファイル)というレポートだ。

この調査を見ると、日本のイメージは「52歳くらい」というコトになるようだ。
経済成長激しいインドなどが、20代というのは分らないわけではないが、既に成熟社会と思われる米国よりも、日本の方が5歳くらい年上のイメージだ。

確かに、今の日本は急速な「高齢化社会」になりつつある。
それだけではなく、「元気の無い内向き若者VS元気な外向き中高年」というイメージが定着しつつあるのも事実だろう。
でも、本当に若い世代が元気が無く、内向きなのだろうか?
もしかしたら、元気で外向き中高年が若い世代のチャンスを奪っているのではないか?
そんな気がしないわけではない。

その一つが、短期的スパンで成果を求める「成果主義」ではないだろうか?
経験が少ない若い世代に短期的成果を求めると言うのは、ある意味酷な気がする。
それを裏付けるかのように、今年の新聞には「人材育成というコトバが目立っていた。
バブルが崩壊して20年、日本は短期的な成果と利潤を求めるあまり、「人」に目を向けてこなかったのではないだろうか?
資源の無い国だからこそ、日本には「人」という資源を大切にしなくては、成長戦略など立てられるはずも無いのに・・・。
それを大企業中心に、やってこなかったツケが今なのではないだろうか?
そんな気がするのだ。
それが今回の、博報堂生活総合研究所の調査結果として現れているとしたら・・・。

だからと言って、中高年に「早期隠居」を勧めているのではない。
あくまでも「社会全体のワークライフバランス」という視点が、大切なのでは?と言うコトなのだ。
言い換えれば「社会の新陳代謝を上げる」というコトだろうか?

「成熟した社会=老齢化社会」ではない。
文化や社会全体に「ゆとりと寛容がある」コトで、新しいチャレンジが若い世代を中心に自由闊達にできる社会が、成熟した社会だと思うのだ。
今の「老齢化社会」の日本から、脱却する年が今年から始まるのかも知れない。