日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業が試されるのは、これから

2011-05-13 20:09:18 | ビジネス
「東日本大震災」発生から2ヶ月が過ぎ、今だ行方不明者の捜索は続くものの被災地では「復興」に向けての動きが活発になってきたように感じる。
実際ニュースなどを見ていても、被災地の方々が前を向きゆっくりではあるが以前の生活を取り戻したいと言う気持ちを口にされるようになってきている。
とはいうものの、あれだけの震災だ。
そう簡単には、復興とはならないだろう。

震災直後の「自粛ムード」も、GW明け頃から薄らぎはじめたような気がする。
消費意欲と言うよりも「被災地応援型消費」が、当たり前のようになり、それが消費行動を後押ししているような感じがしている。

ところで、企業はどうなのだろう?と、考えてみた。
「この夏の「節電対策」が、経済界に及ぼす影響は大きい」と懸念する声ばかりが聞こえるのだが、むしろ、この「エネルギー転換期」をプラスへと発想を変えるコトのほうが重要だと考えている。
それだけではなく、現在生活者+小売業などが中心となっている「被災地復興型経済活動」が、製造業などへ波及していかなくては、なかなか難しいと言う気がしている。
むしろ、日本の経済を支えている製造業が試されるのは、これからなのでは?

そんなコトを考えながら、書店の通販カタログのコーナーを見ていたらあるカタログに目が止まった。
神戸に本社がある「フェリシモ」だ。
女性なら知っている方も多いと思うのだが、この「フェリシモ」の通販と言うのは、いわゆる「頒布会」。
毎月注文したモノが、送られてくる。
その点では、他の通販会社と大きく違うトコロなのだが、もっと違う点がある。
それは、「フェアトレード」を他社よりも早くから取り扱いを始めたり、「阪神淡路大震災」直後には「神戸応援商品」を継続的に掲載・販売をしていたのだった。
この「神戸応援商品」に付いては、神戸出身もしくは神戸で活躍している若手デザイナーさんを起用して、バッグなどのオリジナル商品を製作・販売していた。
その期間も随分と長かったような記憶がある。
それだけではなく、「1000万人で未来を変える!」とプログラムがあり、「神戸学校」と言う公開セミナーや、様々な募金活動、会員参加型の「1000万人で未来を変える!夢プロジェクト」を展開し、事業に繋げている。
会員=消費者を巻き込んで、社会活動を積極的にしていると言う点で、ユニークな企業なのだ。

「通販だからできた」と言うのでは無い。
「フェリシモ」と言う企業の、考えや行動にこれからのヒントがあるのでは?と言うコトなのだ。
被災地の雇用からモノづくりサポート、そして流通・販売にいたるまでのプロセスを考えた、企業行動が大切なのだ。
「復興」という言葉を口にするコトは簡単だが、実際に行うとなると物凄いパワーと継続性が必要となる。

「被災地応援型消費」だけでは、限度がある。
だからこそ、製造業を中心とした企業のこれからのビジョンや行動が大切なのだ。