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都市部ほどエネルギーリスクが高い?

2011-05-18 12:17:51 | アラカルト
東京電力「福島第一原子力発電所事故」以来、様々な「電力エネルギー源」が見直され、考えられるようになってきた。
その中でも「自然エネルギー」に対しての注目度は、一番だろう。
実際、震災以降家電量販店の「家庭用ソーラーパネル売り場」で、説明を聞く人が増えていると言う。

震災以前の「家庭用ソーラーパネル」のセールスポイントは、「売電ができます」だったのだが、今では「もし万が一、電力不足に陥ったとしても自家発電装置があれば、何とか凌げる」というコトなのだろう。

他にも、「マイクロ水力発電(=「小規模水力発電」)」や「地熱発電」などが挙げられている。
そんな中、浜岡原子力発電所が停止した静岡県では「温泉発電」の事業化を考えていると言う。
「温泉発電」実用化へ調査 本年度、県が伊豆4地点で(紹介記事は中日新聞・静岡版 ちなみに、伊豆は東京電力管内)。

この「温泉発電」自体は、「地熱発電」よりも小規模施設が可能で、地熱発電で問題になる温泉施設とのトラブルも避けられるようだ。
調べてみると、九州電力管内で既に1基稼動しているようだ。

そうやって見てみると、今注目されている「自然エネルギー」を作り出す場所の多くが、地方にあると言うコトに気づく。
「自然エネルギー」と一対のようにいわれる「スマート・グリッド」と言う考え方をすると、地方の方が「自然豊かでエネルギーも豊か」と言うコトになる。
言い換えれば、「都市化すればするほど、エネルギーリスクが高まる」というコトになるのではないだろうか?
都市部の高層ビル総ての窓に、ソーラー発電が可能なフィルムを貼り付けるとか、「ゲリラ豪雨」に対応するために進められている、巨大な地下貯水池を利用した水力発電で、ある程度の東京都内の電力を賄うと言う方法ができれば少しは、リスクは減るのかも知れない。
それでも、都市部の電力需要と供給のバランスが取れるとは思えない。

となれば、やはり都市部で暮らすためには、常に「エネルギーリスク」を覚悟しなくてはならない、と言うコトになる。
「個人の暮らし方」だけではなく、「企業の暮らしぶり」も考える時代が来たのかも知れない。