日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

センチメンタルな気分ではなく、現実論として

2011-05-23 07:47:30 | ビジネス
枝野さんの「東京電力への債権放棄を金融機関は考えて欲しい」という内容の発言に対して、与謝野さんが「おセンチな話」とテレビ番組で話されたようだ。
(節電のために)このテレビ番組を見ていないので、話の経緯は分からないのだが、与謝野さんは「(福島第一原子力発電所事故は)神の仕業」という発言をしていることも考えれば、東京電力の現在の補償計画支持派ということだろう。
もちろん「経財大臣」という立場で、「銀行の債権放棄はありえない」という考えもあったと思う。

思うのだが、それほど大手銀行を守る必要があるのだろうか?と思うトコロがある。
というのも、バブルが崩壊し巨額な負債を抱えた大手銀行を救済するため、税金が投入された。
その後大幅な黒字に転換しても、投入された税金を総ての銀行が完済した、という話も聞かないような気がするのだが・・・あの時使われた税金はどうなってしまったのだろう?と、思っている国民がいるはずだ。
少なくとも、あの時使われた税金分くらいの債権放棄をして、(東京電力の救済ではなく)被害にあった方々への補償にお金を回して欲しいと思うのだ。

もちろん、東京電力が示した「役員報酬半減・企業年金減額なし」などというリストラ策などは受け入れることはできない。
役員の人数が減ったといっても、そもそも21人も役員が必要だったのか?というトコロから考え、適正な組織のスリム化が必要だろうし、企業年金にしても税金投入が考えられている今は、減額されて当然のことだろう。

銀行救済の時にも「公共性の高い事業だから」というコトバで、税金を投入される続けてきたが、「公共性の高い事業」だからこそそれなりに市場から守られ、高い利益を得てきたはずなのだ。
だからこそ、このような時こそ「公共性の高い企業」として、「身を削って補償する」という姿勢が無くては、生活者の多くは納得できないのでは無いだろうか?

経財という国のお金を預かる大臣として、震災後の経済をダイナミックに動かし、東北を復興させるのか?そんなビジョンをまず示した上で、おセンチでは無い話をして欲しい・・・と思うのは、私だけだろうか?