日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「想定外」だけだったのか?

2011-05-16 07:44:22 | ビジネス
東京電力の「福島第一原子力発電所事故」の状況が、次々と明らかになってきた。
その中でも、昨日東京電力が発表した1号機で起きていた「メルトダウン」については、これまで以上の大事故に発展しなかったことに安堵した。

詳細については、新聞やテレビなどの報道で確認された方も多いと思う。
驚くのは、津波が発生し予備電源がつかえなくなってから、さほど時間が経たない間で「メルトダウン」が始まっていたと言うことだ。
これまで東京電力では、「津波によって予備電源が使えず」というコトを度々言ってきた。
その意味では、「予備電源が使えなかったことが、メルトダウンを招いた」と言うことになるだろう。

問題は、その予備電源が使えなかった理由だろう。
本当に「想定外」だったのだろうか?
むしろ、「この程度の用意をしておけば、大丈夫だろう」という、甘い見込みの思い込みだったのでは?
その「この程度」が、東京電力の「想定外」以上の事故を引き起こしたのでは?

それにしても、まるで後出しジャンケンのように地震発生直後に起こったと思われる情報が次々と出てくるのは、どうしてだろうか?
確かに今回の地震と津波は、想像以上のものだった。
「地震や津波発生直後に、総ての状況を把握するコトは難しかった」といわれれば、納得がいくのだが、既に発生から2ヶ月以上の時間が過ぎている。
ロボットによる建屋内の被災状況が公開されてからも、随分時間が経ったような気がする。
「時間が経ったから、わかった」というコトだとしても、今の情報公開のやり方では、ますます不信感を募らせるばかりなのではないだろうか。

このような方法で情報を公開するのであれば、事実を公開するだけではなく、対策・対処法を一緒に発表しなくては意味がない。
それが「危機管理」というモノだと思うのだが、違うのだろうか。
これまでの東京電力をはじめ安全保安院、政府発表などは、相当遅くなってから事実だけを発表し、メディアや情報の受け手となる被災者や生活者にその判断を任せてきた。
その結果として起きた「風評被害」というモノもあったのでは?

「メルトダウンを起こした原因を作ったのは想定外」だったのか?
「甘い見込み違い」だったのでは?
その後の対策・対処法ができない、と言うのは「想定外」ではないと思うのだ。