日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業体質が見える気がする

2011-05-29 06:20:02 | 徒然
27日の毎日新聞WEBサイトに、福島第1原発:東電社長、地震当日は夫人同伴で奈良観光という記事が掲載されている。

この記事を読んで、東京電力の企業体質がわかるような気がした。
その企業体質とは、「浮世離れした問題意識」というコトと、「想像力のなさ」という点だ。

私も派遣社員などの経験を含め幾つもの企業で仕事をしてきたが、夫人同伴の出張ができる企業というのは、今だかつて知らない。
もちろん、海外でのパーティーで夫人同伴が必要な場合がある、ということは知っている。
だが、そのようなケースはとても稀で、国内ではまず夫人同伴の出張ということ自体、考えられない。
まして、社長という役職というコトは本社勤務だ。
ならば海外から来たお客様を迎えるにしても、夫人同伴のパーティーでも出張ということはありえないだろう。
それが、社内規定で認められているというのが、「浮世離れした企業」ということをよく現していると思う。

この記事を読む限りでは、「関西経済界の要人との会合」という名目なので、夜の会食などがあれば夫人同伴でなくては失礼に当たるため、奥様と一緒の出張というコトにし、昼間の会合には秘書が必要というコトで同行させた、としか読めない。
「会合」という割には、一緒に行動する人数が多すぎる。
それが、社内でまかり通っていたということは、慣例的にこのような「出張」が頻繁に行われていて、そのことを疑う人も会計監査の担当もいなかったというコトだろう。

でも、その実は「奈良観光」だった。
(夫婦の観光旅行に付き添わされるのだから)同行させられた秘書の方には、同情したい気持ちはあるが、それにしても随分と費用の掛った出張だったのでは?
個人的に見積もっても、交通費(社長さんですから、当然グリーン車でしょう)×3人×2+2泊の宿泊費(私たちが宿泊するようなビジネスホテルではなく、「奈良ホテル」クラスの観光ホテルでしょうね・・・多分)+タクシー代+観光諸費用で、ざっと25万~30万程度は掛っていそうな気がする。
もちろん、社内で宿泊や日当などの規定があるのでもっと安いかも知れないが、それら「旅行代金」が「経費」として処理されるのだ。

その「経費」の出所といえば、東京電力管内の「電気料金」。
どんぶり勘定の零細企業では無いのだから、このような実体がわかってしまうと、「電気料金って、本当はもっと安いんじゃないの?」という気になる。
それだけではなく、様々な補償問題についても「こういう無駄な経費を止めるのが先」という、声があがっても当然だろう。

それにしても、開いた口がふさがらないというか、浮世離れ感覚にも程があるというか・・・公共性の高い企業の実態がこれで、日本は大丈夫なんでしょうか?