日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「哲学」と「ビジョン」

2011-05-26 11:26:01 | ビジネス
昨夜、NHKの「クローズアップ現代」を、たまたま見た。
テーマは「ツーキニスト」
「自転車通勤をする人」のことを「ツーキニスト」と、呼ぶらしい。

ここ2,3年、書店に行くとスポーツ雑誌の売り場で、目に付くようになってきたスポーツがある。
一つは、ランニング(雑誌タイトルでは「ジョギング」ではなく、「ランニング」とされている場合が殆ど)。
もう一つが、自転車だ。
実際、街中を歩いていると昔ながらの自転車店だけではなく、洒落たスポーツ自転車を専門に扱うお店も増えているように感じる。
それだけ、「スポーツとしての自転車」が、一般的になってきたのかも知れない。
特に最近自転車が注目されるようになった理由が、「東日本大震災」で都市部で数多く発生し、問題になった「帰宅難民」の対応策、というコトのようだ。

ただ、残念ながら日本の道路事情は「自転車に優しくない」。
個人的には「自転車に優しくない」どころか「歩行者に優しくない」と、感じることがしばしばある。
これまでの道路行政が、クルマ中心だったのだから仕方がないのかも知れない。

番組では、そのような問題を指摘しながら、海外の「自転車通勤」についてのレポートもされていた。
海外、特に欧州では「医療費削減+渋滞緩和+CO2削減目的」で、政府が自転車通勤を奨励し、インフラを整えているというコトだった。
それも10年、15年という長い歳月をかけ、整備をし生活者の意識を変える努力をしている。

そんなレポートなどを聞きながら、解説をされた小林成基さんのコトバがとても印象に残ったのだ。
それは「これまでの日本の政府には「哲学」というモノがなく、そのため10年、15年といった長期的な政策がされてこなかった」というコトバだ。
細かな部分では違うかもしれないが、ニュアンスと主旨はこのような内容だったと思う。

国会中継やニュースなどで、与党の揚げ足を取る野党の姿という場面を、長い間見てきたような気がする。
今は与党内から、総理を引きずり降ろすような動きさえあるようだ。
このような状況を見慣れてしまった為なのか?この「政治としての哲学、ビジョンのなさ」というコトバに、ハッとさせられたのだった。

道路行政などは、整備事業としても巨額で社会的影響力が大きい。
全国各地には国会議員さんの名前が俗称として付いている橋や道路(港湾設備)が、山のようにあるのに肝心な生活道路となると???だと感じる方は、多いのではないだろうか。
これから先、高齢化社会に向けた「パーソナルビーグル」などの開発を自動車メーカーなどがはじめるコトまでを見据えた、「生活道路行政」を与野党関係なく、政権交代でブレる事がない「哲学やビジョン」を、キチンと話し合う時期に来ている様に思うのだ。
できればそれを、「東日本大震災復興ビジョン」で示して欲しい。