日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

スマートグリッドとオール電化

2011-05-25 13:07:37 | ビジネス
東京電力「福島第一原子力発電所事故」発生以来、電力会社各社が推し進めてきた「オール電化」への風当たりが強い。

確かに、今回のような震災に限らずある程度の規模の震災が発生すれば、一時的でも電力はストップしてしまう。
となれば、必要最低限の生活すら出来なくなってしまう。
そんな現実を目の当たりにしたのだから、ある程度「オール電化」への批判のようなモノがあっても仕方ないと思う。

思うのだが、論調の中には「原子力発電所」と関連付けて、批判をされる方もいらっしゃるようだ。
ここで冷静になって欲しいのだが、確かに「オール電化」を勧めてきたのは、東京電力だけではなく、全国各地の電力会社だ。
だが、原発とオール電化の推進は別物のはずだ。
問題なのは、人の手でコントロールできなくなるのでは?と、ズッと指摘されてきていたにも関わらず、「大丈夫です。安全です」と言いつづけて来た原発で起きた事故が拡大するばかりで、まったく収束する気配すらないということへの不信感や不安感による「電力会社不信」が起きているというコトだ。

その「オール電化」も、小規模水力発電や温泉熱発電、もちろん太陽光発電などと組み合わせ、安定的で安全、環境にも配慮された電力によってもたらされるモノだとしたら、まったく違う意味を持ってくるはずだ。

先日、ソフトバンクの孫社長が「太陽光発電所計画」を発表し、埼玉の上田知事や大阪の橋下知事などが興味を示しているが、何も広大な土地でなくては太陽光発電所ができないわけでは無いと思う。
地方に行くと必ずある「郊外型の大型スーパー」の駐車場に、太陽光発電パネルを設置するコトで、スーパーだけではなく周辺の住民のある程度の電力が賄えるようになるかも知れない。
小規模の太陽光発電所を幾つも作ることで、大きな発電所のような出力が可能になるコトも考えられる。

大切なコトは、供給の安定化に難があるといわれる自然エネルギーやまだまだコスト高のバイオエネルギーをいかに使いやすい電力にしていくのか?という点や、「どこで電力を作り、どこで使うのか?」という事なのではないだろうか。
だからこそ「スマートグリッド」という考えが、重要なのだと思うし、そのシステムができてれば「オール家電」という生活も決して問題となるモノでは無いと考えている。

孫さんの発想は、とても面白いし将来の日本のエネルギーを心配しているコトだと思う。
であれば、「太陽光発電」にこだわらず、様々な「自然エネルギー・グリーンエネルギー」を組み合わせた「発電所」を提唱して欲しいと思っている。