日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

海外ファッションブランドに見る「らしさ」

2011-12-05 19:57:12 | マーケティング
12月に入り、街はすっかりクリスマス気分になりつつある。
そして、新聞の刷り広告などでは海外の有名ブランドの、クリスマスギフトの広告を目にすることが多くなってきた。
そんな中、いかにも・・・と感じさせる広告があった。
それが「カルティエ・Winter Tale」の広告であり、CMだ(注意:音声付動画)

カルティエのメインイメージとなっているのは、パンテール(豹)。
ご存知の方も多いと思うが、ウィンザー公爵が奥様であるシンプソン夫人へ贈った、カルティエオリジナルのブローチのモチーフとなったのが、パンテールだった。
以来、カルティエのジュエリーでは、繰り返しパンテールを様々なモチーフとしてデザインをし、人気を集めてきた。
いわばカルティエの顔とも言えるのが、パンテールだ。

そのパンテールを起用(というのだろうか?)し、作られたのが今回のクリスマスギフトのCMであり、新聞広告だった。
CM動画を見ていただくとよくわかるのだが、ナレーションも無く、パンテールが雪原を歩く先々でクリスマスオーナメントの玉が弾け、カルティエお勧めのクリスマスギフト商品が姿を現す、というシンプルだがとてもゴージャスな雰囲気がある。
カルティエの商品そのものが、とても高価だということもあるのだが、見ていて別世界へといざなわれるような感覚がある。
その別世界こそが、カルティエの持っている世界観、という感じだ。

実はもう一つ、今日の新聞の刷り広告で気になるものがあった。
それが、「アルマーニジーンズ RIHAANNA」だ(注意:RIHAANNAの歌つき動画)
なかなかセクシーなCMなので、日本のテレビCMとしてはあまり積極的に流れていないようにおもう(現在もテレビ無し生活のため、確認はしていない)。
ただ、そのセクシーさも含めモノクロームのCMというのは、いかにもアルマーニ、という気がするのだ。
自身のメインブランドでは、とてもエレガントなスタイルを表現しているが、その実デザインのディテールを見ると、意外とセクシーな部分がある。
カジュアルファッションの代表格・ジーンズをエレガントにそしてやや挑発的に表現する、というのもまた、アルマーニらしいと感じるのだ。

この2つの新聞やCM動画などを見ると、「自分たちの社外的イメージと表現したいこと」が、合致していると感じる。
だからこそ「らしさ」を感じるのだと思う。