日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今年のCM

2011-12-13 20:25:32 | CMウォッチ
テレビCMは、社会を映す鏡のようなところがある。
そんなテレビCMをはじめとする、今年の日本のコマーシャルのグランプリが決まったようだ。
「2011 51st ACC CM FESTIVAL」(注意:pdfファイル)

今回の大きなテーマとなっているのは「今年を未来は忘れない」。
確かに今年という年は、いろいろな意味で忘れることができない1年となったような気がする。
そんな中、グランプリに選ばれているのがJR九州の「九州新幹線開通」のテレビCM。
「JR九州CMインデックス」
ただ残念なことに、九州新幹線の全面開通が3月12日だったこともあり、ほとんどニュースになることは無かったし、テレビCMも九州エリアでの放送はあったとは思うのだが、全国を対象として流れることは無かったように思う。
もともとJR各社のテレビCMというのは、各地域内での放送に限られているようで、JR東海の「そうだ京都行こう」のテレビCMも、北海道や九州で見ることはできないようだ。
JR各社、様々な事情があるのだと思うのだが、「旅」という視点で見れば、各社のCMが見られないのは残念な気がする。
グランプリを受賞した理由は挙げられてはいないが、「未来」というのがキーワードとなったのかも知れない。

そのほかに目を引くのは、やはり震災関連もしくは、震災によって大きく変化した人の気持ちを反映させた内容のモノが多いという点だろう。
サントリーの企業CM・「歌のリレー・上をむいて歩こう~見上げてごらん夜の星を」などは、多くの人の共感を得たCMだったと思う(もちろん、批判的意見も数多くあったようだが)。
それだけではなく、CM製作に携わった広告代理店も1社ではなく複数社が絡んでいる、という点でも、このCMに対するサントリーだけではなく製作者側の思いの強さも感じ取れる。

今年のCMというのは、商品やサービスを訴えかけるだけのものではなく、「何か」を受け手である生活者と一緒につくる、という気持ちを伝える内容が、今回の受賞対象となったようだ。
企業も生活者の一人として、何をしたいのか?何をすべきなのか?というコトを、CMの中で考え・伝え始めた年だったのかも知れない。