日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今更ながら、iPhoneについて考える

2011-12-20 20:40:12 | マーケティング
先日エントリをした「日本のファッションブランドは何故育たないのか?」を考えているとき、フッと「違う視点で考えたい」と思ったのがiPhoneだった。

「何を今更!」と思われることを十分承知で、改めてiPhoneの商品ポジショニングやその魅力などを見直してみたい、と思ったのだ。
というのも、iPhoneが登場する前と後の生活者の変化、それによってもたらされたモノ・コトが、iPhoneというブランドを創り、支持をされていると考えたからだ。
その意味で、iPhoneは「ブランド創り」の今という時代のお手本となる要素があると、思ったのだ。

さて、「iPhoneって、一体何?」と聞かれたら多くの人は、何と答えるだろう?
「スマートフォン」だろうか?
それとも「iPhoneは、iPhoneであって、他に代わるモノは無い」だろうか?
はたまた「生活必需品」と答える方もいらっしゃるかも知れない。

では「iPhoneによって、どんな生活変化が起きたの?」という問いに対しては、どのような答えが返ってくるのだろう?
「とにかく、便利になった」という答えだろうか?もっと具体的に「情報収集がいつでも、どこでもできる」とか「ゲームなどのアプリケーションが充実しているので、暇つぶしに使っている」と、答える方もいらっしゃるかもしれない。
実際、私が某家電量販店の店頭で「iPhoneへの買い替え」を勧められた時、販売担当の方は「ゲームなどのアプリケーションがありますから、どこでも楽しめますよ」と説明をしてくれた。
私が「それって、暇つぶしに使えるってコト?若い人は暇つぶしでiPhoneを使っているの?」とたずねると、「暇つぶしで使っている人は多いですよ」と、明快に答えてくれた。

ただ、この「暇つぶしで使っている」というのは、ジョブスの考えた「iPhoneの使い方」だとは、到底思えなかったのも事実だった。
一方、ジョブスが考えたiPhoneの使い方というのは、ユーザーが自分の使い勝手の良いようにカスタマイズする、(今や死語になった感のある言葉だが)ユビキタスな情報ツールだったのでは無いだろうか?というコトも思い浮かんだのだ。
だから人によっては、「コミュニケーションツール」となるのだろうし、「暇つぶし」にもなるのだろう。
違う見方をすれば、ユーザーが自由に自分発想で使うことで、ユーザー自身が価値を創り出す「インテリジェンスツール(=IT)」という、新しい市場を創ったコトが、iPhoneの魅力となり、ブランドを創ってきているのではないだろうか?
それがapple社の魅力ともなり、「apple」のブランド価値を高めていることにもつながっているのでは?と、考えたのだった。