日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

市民の思いをしっかり汲み取って・・・河村さん

2013-04-22 13:25:26 | 徒然
昨日投票が行われた、名古屋市長選挙。
結果は、現市長の河村さんが圧勝。
圧勝過ぎて、開票と同時に当選確実が速報として流れた程だった。

今回の選挙は、最初から河村さん圧勝!と言う雰囲気が選挙前からあった。
そう考えれば、当然の結果だとも言える。
だからだろう、投票率は先回と比べると15ポイント以上も低かった。

河村さんと言えば「減税」というコトになるのだが、その実名古屋市民は「減税」に期待をしている訳では無さそうだ。
と言うのも、河村さんの打ち出した「減税政策」の恩恵に預かれるのは、一部の高納税者。
多くの市民にとって、河村さんの減税政策そのものは余り関係が無い、というか、減税実感が無い、と言うのが現実だからだ。

にも関わらず、河村さんが選ばれたのは、他の要素の方が大きかったからだろう。
その一つが、河村さん自身が以前から言っている「庶民感覚」だ。
「市職員の給与はもちろん、市議会の報酬も民間企業並みにすべき」と言う主張などは、一番判りやすく支持されやすい内容だと思う。
実際、河村さんの市長としての報酬額は年間800万円だったと記憶している。
もっとも、河村さんの場合市長という仕事とは別に、古紙再生業という事業の企業主でもあるので、市議を生業としている市議さんたちからすれば、多いに不満なトコロだろう。

それだけでは無く、河村さんの言葉には「上から目線」が無い、と言うコトも支持される理由のような気がする。
と言うのも、先日マーケティングの勉強会をしたとき、参加された方々から「上から目線の企業や人とは、一緒にビジネスをしたくない」という意見が多かったからだ。
具体的な職業などを尋ねると、教育関係、霞ヶ関を含む行政、元親方日の丸企業・・・などが挙がった。

これらの組織に共通しているコトは「自分たちは正しい」という、独善的発想が背後にあり「だから、指導をしなくてはいけない」という思い込みのようなものに支配されているような気がしている。
ところが、河村さんにはその様な雰囲気が余りない。
実際の市議会の場では、相当ご自分の思い込みというか信念を主張されるトコロがあるのだが、とにかく市民の中に入り生の言葉を聞く、と言う姿勢が一貫してある。
その姿勢が支持されているのではないだろうか?
市民側の言葉に共感できる発言力を持っている、と言うコトなのかも知れない。

そんな河村さんだが、上述した通り河村さんの主張している「減税」に期待している市民は、思いの外少ない、と言うのが現実だ。
とすれば、河村さん自身は「減税」に拘るのでは無く、本当に市民の言葉に共感し、現実的な政策を打ち出すコトが大切だと言うコトだ。

「河村市政3期目」と言っても、実質2期程度の実績しか無く、そのほとんどの時間は市議会との軋轢で終わってしまっている。
河村さんにとっても市議会にとっても、厳しい3期目が始まったと言う気がする。