日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

もう一歩踏み出す発想

2013-04-16 14:40:45 | ビジネス
ここ数年、耕作放棄地の管理として山羊を飼う地域がある。
農業に従事者の高齢化に伴い、耕作放棄地が増えているのはご存じの通りだ。
そして、一旦耕作放棄地となってしまうと、その後畑や水田として再利用するコトが難しくなる。
そのために人を雇って、草刈りなどをするのが通例だったのだが、その様な地域そのものが高齢化社会に陥っており、草刈りそのものが大変で農協や役場の職員が代わりに行う、と言うケースもあると言う。
草刈りの手間だけでは無く人件費などの経費削減のために、山羊を飼うと経費節減だけでは無く、排泄物を肥料として活用で一石二鳥になる、と言うのが今の状況らしい。

それとは別に、先日「長期保存ができる缶入り米」を紹介する新聞記事があった。
詳細は忘れてしまったのだが、ネットで調べてみると既にこの様な「長期保存ができる缶入り米」を通販などで販売しているお米屋さんがある、と言うコトを知った。
この「缶入り米」のメリットは、長期保存ができ、お米本来の風味も落ちず、虫もつかない。

これらの記事などを呼んでみると、確かにその発想や考えはとても素晴らしいのにな~と思いながらも、あと一歩違う発想が生まれればもっと良いのでは?と感じるのだ。
例えば、「缶入り米」。
「長期保存ができる=災害用として使える」と言う発想は、直ぐに思い浮かぶだろう。
まして「無洗米」であれば、水を加えるだけでご飯が炊ける。
しかし災害時程、普通にお米を炊くコトそのものが、大変なのでは?

災害が発生するとまず問題になるのは、電気やガスなどの「インフラ」だろう。
お水の問題もあるが、電気やガスが無いと言うコトを考えると、その缶を飯ごうのように利用して、直火でご飯が炊けるともっと使い勝手がよいのでは?
もちろん、その様な機能が加わればキャンプなどでも使われるだろう。
「長期保存ができ、美味しく暖かいごはんがキャンプのような焚き火で作れる」と言うのは、今の商品メリットよりも、遙かに高いように思うのだ。

耕作放棄地の雑草駆除の山羊にしても、山羊乳製品を作ると言うコトだってできるはずだ。
日本では余り多く生産されていない山羊乳製品だが、欧州などでは一般的で、直輸入品を日本で買うと「高級品」扱いになっている。
皮革製品にしても「ゴート革」というのは、丈夫で手触りが良いと人気がある。

大きな産業にするのではなく、副産物的ものづくりと考えることで、また違った地域経済の活性化にも繋がるはずだ。

「もう一歩踏み出す発想」というのは、決して特別な発想ではない。
だが、この様な発想が今必要なのだと思う。