日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「ワンダモーニングショット」と言うCM

2013-04-20 18:26:31 | CMウォッチ
しばらく前から話題になっているテレビCMがある。
アサヒ飲料の「ワンダモーニングショット」のテレビCMだ。
放映が期間限定だったので、WEB上でも見るコトはできないのだが、AKB48のメンバーである島崎遙香さんが、会社のICゲートの前でカードをかざすも、ゲートがピクリともせず、焦っているとイケメン社員が、自分のカードをかざし、島崎さんが無事ゲートを通るコトができる、と言う内容のモノだった。

このCMを見て「セキュリティー管理は、一体どうなっているのだ」とか「そもそも他人のICカードで入るのはマズイでしょう」と、問題が指摘された。
もちろん、CMの画面には「演出である」という内容のテロップが表示されてはいたのだが、テレビを見ている人にとって、そんなテロップなどは目に入らない。
ある意味、当然の反応だったと思う。
しかし別の見方もある様で、あえて問題を起こしそうなテレビCMなどを流すコトで、注目を集め販促に結び付けると言う「炎上マーケティング」なのでは?と言う指摘だ。

テレビCMの反応よりも「炎上マーケティング」という言葉が、私は気になる。
何か問題を起こして話題をつくり、それを販促に結び付けると言うのは、決して本来在るべき広告の姿ではない、と思っている。
「話題になれば、何でもあり」と言う、安易な発想は生活者に不快感を与えるだけで、マーケティングとしては成功しているとは思えないからだ。
そもそも「販売促進・広告=マーケティング」というのは、実に狭い一部分をマーケティングと解釈されているのでは?と言う気がしている

その視点でこの「ワンダモーニングショット」のテレビCMを見てみると、余り考えられたCMと言う気がしないのだ。
アイドルグループの一人を使い、出社時にアタフタしてパニクっているトコロにイケメン先輩社員がさりげなく助けてくれた・・・と言う程度の内容で、その設定として今のIC管理を絡めただけの演出にしか見えないのだ。
それも、果たしてどれだけ現実味のある演出だったのかは多いに疑問がある。

アタフタしながら、財布を読み取り機に何度もあてるのなら、何故財布からICカードを出さないのか?とか、そもそもキャッシュカードやクレジットカードなど、磁気カード満載の財布に、ICカードを入れているコト自体「え!?」という感じなのだ。
私自身は、ICカードを使って出社すると言う生活をしていないので、今のOLさんたちがどのような管理をしているのか知らない。
でも時々、昼間のオフィス街を歩くOLさんたちの姿を見ると、ほとんどの人は首から社員証のICカードを下げている。
ということは、財布などにICを入れている可能性は余りないのでは?
むしろあり得るシチュエーションとしては、通勤バッグを変えたために入っているはずのICが無く、ゲートの前でアタフタする・・・だと思うだ。

CMだから、突飛な内容でも構わない、と言う考えもあるのは十分理解している。
だが、余りにも突飛な内容をごく普通の生活の中のシチュエーションに入れるコトは、見ている生活者に不快感を与えるだけだと考えるのだ。