日々是マーケティング

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ヤマト運輸のビジネス展開考

2013-04-27 16:41:47 | ビジネス

宅配事業の雄と言えば、ヤマト運輸と言うコトになると思う。
「宅配」というビジネスモデルを創っただけではなく、「宅配事業」に関わる様々なサービスを創り出してきた。
そんなヤマト運輸が、奈良県と一緒になって新しい事業を始めたようだ。

「配送サービス」というサービスなのだが、サービス名だけではこれまでのサービスとの違いが分かりにくいく、何故奈良県と一緒になって?と言う疑問が湧いてくる。
そのサービス内容を知って「なるほど・・・こういう配送ビジネスがあったのか」と、納得をした。

奈良県自転車利用総合案内HP古都の風を感じながら奈良で自転車を楽しもう
 自転車搬送サービス 手荷物配送サービス

奈良や京都などを旅行すると、不便さを感じるコトが一つある。
それは、道幅が狭く駐車場などが少ないと言う点だ。
私は公共交通機関利用なのだが、観光シーズンともなると、狭い道幅の道路にクルマが溢れ大渋滞!と言う経験は過去何度もある。
クルマの便利さはわかるのだが・・・と思いながらも、大渋滞に巻き込まれながらひたすら目的地まで我慢。
そんな大渋滞のクルマの脇を、自転車がスイスイと走り抜けていく光景は、何度も見た。
奈良や京都の観光には、クルマよりも自転車の方が便利な移動手段なのかも知れない、と度々思ったりもした。

その様な交通事情を踏まえ、奈良県は随分前から「自転車で観光地を巡ろう」と言う動きがあった。
そこへ、昨今のサイクリングブームがあり、県としての観光客へのサービス向上という点で、この様なサービスを考えたのではないだろうか?
もちろん、サイクリングブームというだけでは無く、観光地だからこその「環境に配慮する」コトも重要だったのだと思う。
そのビジネスパートナーとして、宅配事業として実績があるヤマト運輸との共同事業というコトになったのだと思う。

一方、共同事業を行うコトになったヤマト運輸にしても、日本郵政のゆうパックなどとの競合する中で、新しいビジネス展開が必要になったのだろう。
「自転車搬送サービス」は、環境に配慮したい観光地が積極的に利用していく可能性があるだけでは無く、「宿泊施設から宿泊施設への即日配送サービス」というのは、複数の観光地を巡る旅の時には、とても便利なサービスだろう。

自社の持つ強みである宅配事業の範疇でありながら、日本郵政などが手を付けていないユニークな事業、と言う点で魅力的だったとおもうし、その発想がヤマト運輸らしいという気がした。