日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「オプション商法」?

2013-04-07 09:00:00 | ビジネス
最近、NTTから電話が掛かってくることがある。
正しくはNTTから依頼を受けた、通信関連会社。
電話に出ると、一方的に「インターネット光」のサービス説明をされるのだが・・・その内容は、「現在お使いのインターネット光に、新しいサービスご提供のご案内」。
その「新しいサービス」というのが、パソコンやタブレット端末、スマートフォンで月定額でドラマなどが見放題、と言う内容だった。
いわば、「オプションの勧め」だ。

残念ながら、私はパソコンで映画やドラマを見る習慣が無い。
元々「トレンディードラマ」と呼ばれた、番組も興味がなく見たコトが無い。
同世代の女性達がハマッた「韓流ドラマ」も、「何だかな~」という印象しか無かった。
ただ、何故この様な「オプションサービス」を積極的に勧めてくるのか?と考えると、電力会社系の通信会社の利用料の安さに対抗する為なのだろう、と言うことに気がついた。

通信料などは、電力会社系の通信会社との競合状態になっている。
実際、電力会社系のセールスポイントは「NTTより安い」という点だ。
しかも、同じ電力会社系の携帯電話会社とセットにすると、より安く利用できる、と言う価格設定がされている。

それだけでは無く、インターネットが普及し始めた頃のように、「通信費=利用時間×時間あたり利用料金」と言う課金制から、「通信費=使い放題」になってしまった。
利用者が何時・どれだけ利用しても、固定電話からのインターネット利用の通信費は変わらない。
とすれば、「光ファイバー利用」と言う市場を、通信費だけで競い合うには、値下げという方法で顧客を獲得していくしか方法が無い。
それでは収益という点では厳しくなってしまうので、「オプションの勧め」ということになるのだろう。

考えてみれば、この「オプション商法」いろいろなところで見るコトができる。
おなじみなのは、旅行などの「オプショナルツアー」。
基本となる旅行代金そのものは、比較的安価に設定されていて、自由時間も多い。
参加者だけで自由行動ができる場合は、とても使い勝手がよいツアーだと思う。
しかし、自由行動がなかなかできない人にとっては、安価な価格設定に飛びついても、結局オプショナルツアーを組み込むことで、割り高なツアーとなる場合もある。

最近では、チェーン展開をしている「写真館」だろうか。
撮影代そのものは、昔ながらの写真館に比べ安いのだが、貸衣装代が掛かってしまう場合が多い。
確かに事前準備もなく、記念写真が撮れると言うのは魅力だ。
反面、記念写真ということで「着せ替え人形」のように、いろいろ勧められ撮影してしまうと、後でビックリ!するコトとなる。

ビジネスとして問題がある訳では無いし、上手に利用すれば節約もできる。
ただ、「オプションを利用する」と言うメリットが、自分にどれほどあるのか?と言う点を、十分理解する必要がある。
もちろん、説明する側も「便利でお得」という言葉だけで、商品を勧めるのは問題だと思う。

そんなことを書いていたら・・・実家の父から「テレビにインターネットをつなげて・・・今だと無料なんだけど・・・どんなサービス?」と電話があった。
もちろん私の答えは「お父さんが見るテレビ番組が、そのサービスで見られるのか確認した?そもそも、ドラマや映画を見ないお父さんには、必要のないサービスだとおもうから、断った方が良いよ」と返事をした。
NTTさん、高齢者世帯への電話勧誘は説明を十分尽くしても、まだ説明が足りません。
「便利でお得」という説明は止めて欲しい。

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