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安倍さんの成長戦略って・・・随分古い発想のような気がする

2013-04-25 14:58:40 | 徒然

昨日Yahooのトピックスに、安倍さんの「成長戦略」の一つとして「大規模化で攻めの農業」という内容の記事が取り上げられていた。
産経BIZ:「農業大規模化など成長戦略に競争力会議TPP参加へ議論」
安倍内閣というか、安倍さんの言う「攻めの農業政策」というのが、どうやら大規模農業による集約化、と言うコトらしいのだが、今の地方の農業の実態から考えると「????」という気がする。
何より「大規模農業」というと、「八郎潟の干拓事業」を真っ先に思い浮かべる世代としては、50年以上前の発想のような気がしてしまうのだ。
その「八郎潟の干拓事業」も、今となっては農家の高齢化により耕作放棄地となったトコロがあると聞いている。

今農家が抱えている大きな問題というのは、集約型の農業云々では無く、従事者の高齢化なのではないだろうか?
もちろん、今の農地法では新規参入が難しいことも問題があるとは思う。
だが一番の問題は、高齢者世帯となった農家が農業を辞めてしまうと、耕作放棄地になってしまっている、と言うのが現実なのでは?
実際、実家周辺の農地を見ると規模云々では無く、高齢者世帯で農業を辞める、と言うケースの方が遙かに多い様に見受けられる。

そもそも「集約型農業」というのは、米国のような広い平地があるトコロ向きの農地形態なのではないだろうか。
「棚田」に代表されるような、狭い農地を開墾し行う日本の農業には向いていないような気がする。
耕作放棄地にしても、農家の高齢化以前の問題として、自民党が推し進めてきた「減反政策」にも関係しているのではないだろうか?
安倍さんが言う「攻めの農業」というのは、輸出できる農作物の生産という意味だとすれば、「大規模農業」という発想では無いと思う。

日本には日本の気候風土にあった農業のあり方があると思うし、「棚田・千枚田」などの風景はとても貴重な観光資源だと思う。
「集約型大規模農業=攻めの農業政策」と考える前に、日本の農家や農業の実態を知り、高齢化した農家を如何に若返りを図らせるのか?そこをまず考えることの方が大事だと思う。
何故なら、日本の農作物そのものは、品質などは世界でのトップレベルで、政治がらみの下手な売り込みなどは必要としないと思うし、それでは日本の農業が抱えている問題解決とは成らないと思うからだ。